令和2年12月議会 会派代表質問(入江担当箇所原稿及び質疑要旨)

2020年12月3日(木)
会派「立憲民主・千葉民主の会」代表質問(入江担当箇所)
「新型コロナウイルス感染症対策」
「児童虐待防止の取組について」

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

新型コロナウイルス感染症対策【健康福祉部】

新型コロナウイルス感染症対策についてですが、第3波到来で、感染者数が急増し医療現場は厳しさが増しています。現在、県は病床確保計画フェイズ3を全域で運用し、11月26日現在54病院で662床のコロナ患者受入病床を確保しています。病床利用率は50.3%となっていますが、さらなる感染拡大に備えて取り組む必要があります。一方、医療現場では1年近くに及ぶ新型コロナ感染症への対応で医療従事者も疲弊し、病院経営も逼迫しています。フェイズ4への移行は、救急医療をはじめ通常の医療が制限される可能性が高く、これは何としても避けなければなりません。また医療崩壊を防ぐため、県も国からの財源を十二分に活用し、あらゆる手立てを講じていく必要があります。そこで伺います。県内医療機関における経営状況はどうか。入院患者受入協力金支給事業や病床確保支援事業のこれまでの執行状況はどうか。

また、さらなる感染拡大で病床確保が厳しくなった場合、ホテル療養への移行基準の見直しや在宅療養のフォローアップ体制も強化していく必要があります。主要な役割を担う保健所では、濃厚接触者への行政検査、感染患者の健康観察、症状が急変した場合の救急搬送等、多くの業務を抱えています。しかしながら、保健師等のマンパワーには限りがあります。そこで伺いますが、保健所のマンパワー増強の必要性はどうか。また業務の効率化・迅速化に向けての改善状況はどうか。

インフルエンザとの同時流行に備え、先月16日から地域のかかりつけ医や診療所における診療検査体制の整備が進められ、県も発熱外来最大1,100か所の指定をめざし、検査体制も拡充していくとのことですが、その一方で、感染疑いや濃厚接触者に対する行政検査に加え、感染者が多数発生している地域やクラスター発生地域での医療機関、高齢者施設等での「一斉・定期的な検査」の実施も国から求められています。また行政検査だけでなく、船橋市や習志野市が独自に実施している高齢者への任意検査や国の助成事業である「一定の高齢者等への任意検査」を実施する予定の自治体もあります。陽性患者数の割合が上昇し、市中感染が広がる中、さらなる検査体制の強化が必要と考えます。そこで伺います。積極的な感染防止に向けて、県はどのように検査体制を拡充していくのか。

また、いわゆる「発熱外来」の指定医療機関となることの判断は医療機関で分かれているようですが、指定のいかんにかかわらず医師会との更なる連携により、地域格差が生じないよう整えていかなければなりません。さらに相談体制づくりや県民への周知も重要です。特に、かかりつけ医がいない場合や夜間休日時においても、県民の不安がないよう取り組む必要があります。そこで伺います。夜間休日を含む発熱相談体制をどのように整備しているのか。

新型コロナウイルス感染症対策【健康福祉部】再質問

先ずは新型コロナウイルス感染症対策についての再質問です。新規感染者の急増に伴い、保健所における入院調整が厳しさを増すことが予想されます。大阪府では「入院フォローアップセンター」において入院が必要な患者の情報を保健所等から一元的に集め、重症、軽症・中等症といった症状に応じて医療機関に振り分けています。千葉県では基本的に保健所単位で入院調整を行っています。そこで伺います。今後のさらなる感染拡大を見据え、保健所で調整が難しいケースについて、どのような体制で臨んでいくのか。

また他県では発熱外来を増やすために、独自の支援策を示しています。例えば、埼玉県では50万円の協力金、鹿児島県では医療従事者への危険手当支給への補助、千葉市では院内感染時の支援金100万円などです。そこで伺います。発熱外来(診療・検査医療機関)に対する県独自の支援策を検討すべきと考えるがどうか。

新型コロナウイルス感染症対策【健康福祉部】再要望

最後に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。感染拡大防止にあたっては、特に重症化リスクの高い医療・高齢者施設等において、県による「一斉・定期的な検査」を早期に実施するよう求めます。また、負担が増加する保健所における業務改善や職員の応援体制については、全庁をあげてしっかりと取り組んでいただきたい。さらに、コロナ患者の外来診療、入院治療にあたる医療現場に対しても、その実情をタイムリーに捉え、政策につなげる姿勢が必要です。医療崩壊を防ぐためにも、県は国の交付金による事業メニューの活用だけではなく、医療機関への県独自の支援策を検討するよう要望いたします。

児童虐待防止の取組について【健康福祉部】

次に児童虐待防止の取り組みについてですが、本県の児童虐待相談対応件数は、昨年度9,051件と過去最多8年連続で増加しています。昨年1月、野田市の小学4年女児が親からの壮絶な虐待暴行により命を奪われ、児童相談所の責任が厳しく問われました。これを受けて開かれた第三者検証委員会の検証報告や県議会での議論・提言を踏まえ、県は今年度児童虐待防止関連予算を大幅に増額。児童相談所の機能強化として前年度の約5倍5億円を超える予算を計上し、児童福祉司110名程度の増員、一時保護所増設に加え、新たにICT活用による業務改善や児童相談所運営監査事業を行うこととしています。新型コロナウイルス感染症の影響による進捗の遅れが見られる事業もありますが、子どもの命を守る最前線における取組みは何があっても最優先に進めなければなりません。

平成28年改正児童福祉法において、子どもが権利の主体であることが位置付けられ、子どもの家庭養育優先原則が明記されました。この理念に基づく「新しい社会的養育ビジョン」により、里親推進、施設の小規模化、一時保護委託等の施策が進められています。とりわけ児童相談所の果たす役割、その権限や責任は重大です。社会的擁護の必要な子どもの人権尊重第一の視点から、子どもの命や権利を守ることはもちろんのこと、将来における幸せも守るという方向性も見定め、適切な支援につなげなければなりません。

県の児童相談所においても、児童相談所の増設、専門職員の増員や資質向上、市町村や関係機関との連携強化、民間施設へのさらなる支援等、課題が山積しています。そこで伺います。新たな児童相談所運営監査事業はどのような視点で、どのように行われるのか。

また、児童相談所に設置されている一時保護所については、国が平成30年に児童相談所一時保護ガイドラインを示し、設置自治体に対応を求めています。県の一時保護所においても定員オーバー過密化の解消、職員増員による労働環境の改善、専門性向上のための研修機会の確保等、さまざまな取組みが必要です。そこで伺います。児童相談所一時保護ガイドラインを受け、県はどのように取り組んでいるのか。

とりわけ一時保護所における超過入所の解消は喫緊の課題です。今年度、県は一時保護所4か所の定員増を進めていますが、増え続ける保護児童に対する安全・安心な環境の整備、一時保護期間における適切なアセスメントを行う上でも、4〜5年を要するとされている、新たな児童相談所増設を待つ余裕はありません。子どもは日々成長し、待ったなしの対策が必要です。今年10月、千葉市では民間養護施設の協力を得て、県内初となる民間の設立による一時保護所、正確には一時保護専用施設を設置しました。他県でも同様の施設を増やす方向です。そこで伺います。本県も一時保護専用施設の設置を促進すべきと思うがどうか。

児童虐待防止の取組について【健康福祉部】要望

次に児童虐待防止の取り組みについてですが、児童相談所における運営監査については、子どもの権利擁護の視点を第一に取り組むよう要望致します。特に心身とも傷ついた子どもたちが多く暮らす一時保護所においては、大人との信頼関係を築き安心して過ごせる環境が必要です。国のガイドラインに基づき、着実に取り組むよう要望致します。また一時保護専用施設については、関係団体等と課題を協議し、整備の促進に努めていくとのご答弁でした。ぜひ積極的に働きかけて頂くよう要望致します。

答弁要旨

令和2年12月定例県議会(本会議)における答弁要旨(入江担当個所)