令和6年2月定例県議会 健康福祉常任委員会 審議状況 病院局/健康福祉部(入江質疑箇所)

令和6年3月7日(木)

なお、質疑要旨は正式な議事録ではありません。

病院局

議案第22号 令和6年度当初予算

(1)経営改善について

質問

令和6年度における各病院の入院・外来患者数について、どのような考え方で見込んでいるのか。

また、各病院における運用病床や病床利用率の考え方はどうか。

(入江委員)

回答

入院・外来患者数の質問については、当初予算編成にあたり、まず、必要とされる固定経費を算定し、材料費比率等を勘案して、固定経費を賄う、つまりプランの目標の赤字水準に相当する医業収益を決定しているところである。

当該医業収益から、診療単価や入院外来の比率、診療体制を踏まえて、入院患者数や外来患者数を算定しているところである。

また、各病院における運用病床数や病床利用率の考え方について、運用病床数については、許可病床の中で、医療従事者の体制や患者の応需状況を踏まえて決定しており、延入院患者数を運用病床数から計算したものが、病床利用率となる。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

がんセンターは、運用病床について令和6年度は446床を見込んでいて今年度は404床。病床利用率についても直近の2月補正で75.7%のところを令和6年度当初は80%と大きく見込んでいる。

佐原病院についても、昨年度の運用病床155床から新年度においては172床と増やしており、病床利用率も今年度直近の65.1%から67.1%に上げていくということが見て取れる。

これに対して循環器病センターにおいては、運用病床に変更はないが、病床利用率は今年度75.7%から今年度直近の83.2%になっている。こちらについて、もう少し詳細を教えていただきたい。

(入江委員)

回答

まず、がんセンターについては、新棟開院し450床を病床数としたところである。これに向けて段階的に準備を進めているところだが、来年度からは450床フルオープンを予定しているため、運用病床を446床とした。併せて病床利用率については、がんセンターとしての収益の目標に対して算出したものである。

また、佐原病院については、コロナの影響がある中で155床を運用病床数としていたが、コロナが落ち着いてきたため、病床数を増やし、病床利用率についても収益を増やすということで上げているところである。

循環器病センターについては、これまで一般病床をコロナ病床に転換させた数字で、令和3年度から5年度まで運用していたところである。こうした状況等を踏まえて、現状の運用病床数167床でまわるのではないかと考え、167床としている。

併せて、収益を確保するために病床利用率も上げているところである。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

経営改善について客観的な指標から確認したいと考えている。公立病院においては、平成20年のがんセンターから始まり、4病院がDPC対象病院になっている。DPCの機能評価係数Ⅱというものがあるが、その係数が各病院においてどのように推移して、具体的な入院の収益にどれくらい反映されているのか。

(入江委員)

回答

推移については、がんセンター及び佐原病院は、令和2年度以降は年々増加しており、令和5年度はがんセンターが0.0784、佐原病院が0.1043である。こども病院は令和4年度までは増加の傾向であったが、令和5年度は低下しており0.0877、循環器病センターは減少傾向にあり、令和5年度は0.0941であった。

具体的な入院収益への反映であるが、入院に係る診療報酬に、DPC係数として基礎係数、機能評価係数Ⅰ及びⅡを合算した数値をかけた金額が、実際の診療報酬として、各病院の入院収益として支払われるものである。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

手元に数字がない中で理解していくのは厳しいと思うが、事前に話を聞く中で、がんセンターと佐原病院が直近の数字で上がっていて、こども病院と循環器病センターが低下傾向にある。特に佐原病院については2%の上昇で健闘していると見て取れるが、なぜ上がったのか、どのような努力により上がったのかという点、また、2%上がるということがどれくらい医業収益にプラスとなっているのか。

(入江委員)

回答

佐原病院の2%上がった理由であるが、令和2年度は0.0737で令和5年度は0.1043と大きく上昇している。機能評価係数Ⅱには様々なものがあるが、その中の効率性係数が大きく上昇している。平均在院日数を短縮した取組が評価されたと理解している。

影響額は、粗い計算ではあるが令和4年度の入院収益が約19億円でありその2%をかけた数字の約4,000万円である。

(山崎経営戦略担当課長)

質問

こども病院と循環器病センターの係数が下降気味で、施設の老朽化や医師の確保に苦労しているということであるが、令和6年度は、この2つの病院について、どのような対策を見込んでいるのか。

(入江委員)

回答

循環器病センターとこども病院の機能評価係数Ⅱについては、伸び悩んでいる。診療報酬にも直結するため、病院局または各病院でも非常に重要と考えている。先ほどの効率性係数であれば上げるために平均在院日数の短縮を行うことで評価が上がっていくなどはあるが、疾病のカバー率など様々な指標があり、片方を上げると片方が下がる、上げにくくなるなどの関係性がある中で、自分たちの病院はどの係数を上げていくことが良いのかという点については、各病院の医療従事者や診療報酬を分析する担当者等と議論をしながら取組を進めているところである。

(山崎経営戦略担当課長)

意見

佐原病院は公的な補助金が非常に少ないことに比べて、他の病院はある程度公的な収入を得ているというところで、もう少し具体的な内容についての話し合いをしていくとのことなので、詳細なことについては現場と進めていってほしい。逆に言えば佐原病院は政策的な補助金などが少ない中で健闘しているということを改めて確認した。

(入江委員)

(2)医師の確保について

質問

続いて二点目、医師の確保について伺う。まず、令和6年4月における医師の退職、採用見込みはどうか。また、臨床研修医、レジデント医についてもお聞かせ願いたい。とくにレジデント医の募集、応募、採用状況について、また、研修における県立病院以外の基幹施設と言われる他の医療機関との連携状況についても伺いたい。

(入江委員)

回答

一点目、令和6年4月における医師の採用退職見込みであるが、3月末の退職者数が3名である。内部で医員から正規医師に上げることもしている。常勤医師については、外部からの医師の招聘を現在、大学医局と調整しているところである。私どもとしては、人数が減らないよう努めているところであるが、大学の医局が相手方なので、今現在ちょっと詳細がまだ出ていない。4月以降、確定した段階で情報についてはご提供したい。

臨床研修医の採用状況は、令和6年度の採用状況については、募集定員13名に対して42名の応募をいただき、それにより最終的に13名の方を内定したところである。

次にレジデント医の応募と採用状況であるが、基本領域については小児科7名、精神科3名、放射線科が2名、救急科2名、リハビリテーション4名、サブスペシャルティの専門領域については、診療科若干名の募集をしたところである。その結果は、応募人数と採用人数が同数で、採用については、基本領域については、小児科2名、精神科3名、放射線科1名、救急科1名、リハビリテーション科3名、そして、サブスペシャリティでは、消化器内視鏡1名、小児循環1名の合計12名を採用としたところである。

研修における県立病院以外の基幹施設の連携であるが、君津中央病院、東京ベイ浦安市川医療センター、国際医療福祉大学成田病院と関係があり、実績は、東京ベイ浦安市川医療センターで1名、それと国際医療福祉大学の成田病院で1名、これは臨床研修医であるが、連携実績がある。

(山本経営管理課長)

要望

ありがとうございます。

今、説明のあった基幹病院との連携状況については、君津中央、東京ベイ、国際医療福祉大学と年々拡がっていることが理解できた。レジデントというのは、ご承知の通り、戦力となる先生方であるので、少しでも他の病院から県立病院に来てもらえる先生を増やしていくということも将来的に、若い医師を確保する上で非常に重要な取り組みであるので、引き続き、力を入れてもらいたい。令和6年度も病院等現場と一緒に働きかけることも考えていただきたいと思う。

それからこの常任委員会でも何度も言わせていただいているが、臨床研修医については非常に人気がある。42名でフルマッチ13名。こういった先生方を、引き続き将来の県立病院の戦力としていくための工夫が必要だということで、12月議会でも申し上げた。そういったことについて、新年度、現場の先生方の負担にならないように、SNSの発信だとか、他の病院でも診療科ごとにやっているという情報も見られるから、県立病院としても、ぜひ通年的に発信をしていただいて、県立病院で働く魅力といったものを、しっかりとアピールしていただきたい。

(入江委員)

質問

関連して気になったのが、以前、総合診療医というプログラムがあったはずだが、プライマリーケアに関わる専門医だが、県立病院としてもしっかりと養成、確保してほしいということで、かねてから求めてきたところであるが、いつのまにかなくなっている。経緯を説明いただきたい。

(入江委員)

回答

総合診療科については、平成19年に東金病院において、病院長から、総合医の後期研修プログラムを申請してスタートしたところで、東金病院閉院のあと、循環器病センターにおいて、これを引き継いでいただき、プログラム責任者において研修コースの募集していたところであるが、その責任者だった方が、令和4年3月末で退職した。

その際に、他の病院長でプログラム責任者ができそうな方を探して、大分検討したが、この総合診療については、まずしっかりとした指導医が欲しいということ、またこれは全国的に結構問題であるが、この指導医はかなり知名度の高い先生でないと、生徒がなかなか集まりにくいという現状がある。実際、他の病院でも、知名度の高い指導医のところに生徒が集まり、そうでない指導医には募集しても集まらないという状況があり、我々も募集をかけていて、ゼロという状況であり、ちょっとマンパワー的には難しいということで止めているところである。

ただ、委員ご指摘の通り、総合診療科につきましては、やはりプライマリーケアは、患者さんの、どこから病気が起因するかを診るために重要な診療科だと思うので、再開の道のりは大変であるが、引き続き、努力していきたいというふうには考えているところである。

(山本経営管理課長)

要望

ありがとうございます。

非常に残念ではあるが、そもそも指導医が退職されたということである。県内では、千葉大の生坂先生とか、亀田のファミリークリニックは、非常に人気があって、全国からプライマリーケアを目指す方が集まってくるという話を聞き、現地もかつて視察したこともある。ただ、課長から、将来についても、やめたということではなく、プログラム再開に向けての可能性をお話いただいた。千葉県の県立病院、佐原病院、循環器病センター、地域医療を担う中核的な病院である。

そういったところからも、全人的に患者さんを見ることができる、医師不足にも対応できる、非常に将来的に、求められている専門医であるから、県立病院としてもプログラムの再開に向けて、しっかりと調査・研究ということで、再開を求めていきたい。

(入江委員)

(3)医師の働き方改革について

質問

続いて3点目、医師の働き方改革について、伺う。承知のとおり、令和6年4月から、働き方改革が勤務医についても本格化される。令和6年4月からB水準指定とする必要のある病院の状況について、伺いたい。

(入江委員)

回答

令和6年4月からB水準指定とする病院の状況であるが、こども病院については、医療機関勤務環境評価センターの評価受審を2月22日に終え、同日に県へ申請しており、3月の医療審議会を経て、県からB水準指定を受ける見込みである。循環器病センターについては、医療機関勤務環境評価センターの評価受審を1月26日に終え、1月31日に県へ申請しており、こちらも同じく、3月の医療審議会を経て、県からB水準指定を受ける見込みである。

なお、参考までに、総合救急災害医療センターもB水準の指定を受ける見込みであるが、こちらは11月に開所したばかりであり、いわゆる労基法の三六協定の1年の期間中であるということと、評価受審をするのに3か月ほどの実績が必要なため、令和6年10月までに医療機関勤務環境評価センターの評価受審を受け、B水準の指定申請をしたいと考えている。

(山本経営管理課長)

質問

医師の働き方改革については、病院局においては、令和3年度から医師の労働時間短縮計画の策定、令和4年度からその実行に向けての外部コンサルへの委託等によって、医師事務作業補助者によるタスクシフト、また、医師のタスクシェア等の具体的取組を行ったということは承知している。その結果、過去3年間において、年1860時間超えの医師の数がゼロ、年960時間超についても、この3年間で36名、30名、29名と大幅に減少していることは承知している。

この間、医師の負担軽減に向けて、他職種連携やチーム医療の推進を現場の職員の方々と進めてきたということで、病院局は県内の病院の中でも非常にこの問題に先駆けて取り組んできたということに敬意を表したいと思う。そこで、新年度について伺いたいが、新たにビーコン勤怠管理というものを始めると言っているが、その内容、導入経費、開始時期の見通しはどうか、伺いたい。

(入江委員)

回答

ビーコンによる勤怠管理は、医師にビーコンといわれる発信機を装着してもらい、病室、医局、手術室等の前に設置した受信機により、医師がその受信機の近くを通過するごとに滞在記録を自動管理させるものである。

導入の経緯としては、医師は色んなセクションに移動し、併せて勤務時間帯が不規則的に動くことがあるが、今までは医師の申告に基づき、事務局が代行入力していた。これは、大変な負担であった。これを自動的に記録管理することで、医師にとっては正確な時間管理ができると共に労働時間に係る記入時間を減らすことができる。また、事務局にとっては、代行入力の時間を大幅に減らすことができる。そうした理由から、ビーコンを導入した。

導入経費としては、16,218,840円となっている。

導入時期としては、令和6年3月に受信機等の機器を入れ、令和6年4月以降に各病院において順次、開始していく見通しとなっている。

(山本経営管理課長)

質問

導入経費については国からの補助金が入っていると聞いているが、令和6年度以降の運用経費については、独自の財源で賄っていかなければならないのか。

(入江委員)

回答

従来の国からの環境改善の補助金は、ハードウェアの設置、イニシャルコストだけを対象としていた。

ランニングコストとしては、年間2千万円ほど掛かる。これは、インターネット回線を使っているため、これくらいの金額が掛かる。

私どもとしては、機器導入に係る事務局の時間外縮減により財源を賄えると思っているが、国の補助金が延長されるか、さらに対象が拡大するかについて注視していきたい。

(山本経営管理課長)

質問

タスクシェアに関わってくるが、認定看護師と特定行為研修を受けた看護師について、専門性を高めることで、医師や様々な医療現場の負担をシェアしていくことになるが、令和6年度における予算により、県立病院で何名の資格取得者を想定しているのか。また、現在の看護師全体に占める割合について教えていただきたい。

(入江委員)

回答

令和6年度の予算によりまして、何名の資格取得を想定するかについて、認定看護師と特定行為の看護師については、熟練の能力が求められ、ある程度の経験年数がいる。病棟の運営に支障がないように研修に出していくことなど総合的に考慮し、これまでだいたい4から8名の看護師について資格取得をしてきたところである。令和6年度についても8名の最大実績を想定し、約360万円の予算を組んで、8名の受講を想定しているところである。

認定看護師と特定行為研修修了の総数と看護師全体に占める割合については、令和6年2月現在では認定看護師60名、看護師の母数は1,400名ほどであるため、だいたい4%となる。一方、特定行為研修修了者については5名で約0.3%ということになる。

(山本経営管理課長)

要望

先日開かれた病院局の学術集会に参加した。多職種連携というテーマであったが、各病院における認定看護師、特定看護師といった方々の報告を聞いて、一人ひとりの医療従事者の専門性、資質を高めていくことが医療全体の質の向上にもつながるし、チーム医療という流れの中で、医師の働き方改革とも連動して病院全体として患者さんをサポートしていくといったことにつながるということをつくづく理解できた。研修でいなくなるというのは大変かと思うが、大きなビジョンを基に研修を受ける人を出していくということについて、本局としても各病院に働きかけをしていただきたい。

(入江委員)

議案第46号 令和5年度補正予算

質問

2月補正予算について、医業収益8億5,000万円の減、医業外収益、特別利益の詳細を説明願いたい。

(入江委員)

回答

医業収益の減額については、大きい要因としてはがんセンターの収益が当初予算の目標に届かなかったことなどから、病院局全体として8億5,000万円の減額となったものである。

医業外収益の増額については、国庫補助金の増収が見込まれることから、5億5,000万円の増額としている。

特別利益については、特別損失とともに本年度は多額の計上となっており、これは対になっている。昨年11月の総合救急災害医療センター開院に伴い救急医療センターと精神科医療センターが廃止され、そこで使われていた建物や医療機器などは病院事業として使用しなくなるため、これらに残っている帳簿価額19億円を特別損失として計上したものである。また建物などの資産形成に当たり補助金等を受け入れているので、それらを収益計上したものが特別利益11億円である。

(新村副参事(兼)財務室長)

質問

医業収益について、がんセンターが下がっているということだが、がんセンターのみで8億5,000万円の減少なのか、他の病院と差し引きなのか知りたい。

(入江委員)

回答

がんセンターは12億1,000万円の減額である。このほか佐原病院で4億7,000万円の減額、総合救急災害医療センターで4,000万円の増額、こども病院で3億8,000万円の増額、循環器病センターで4億1,000万円の増額となっており、合計で8億5,000万円の減となっている。

(新村副参事(兼)財務室長)

質問

令和6年度予算では、がんセンターが病床を増やして利用率を上げていく、という理解でよいか。

(入江委員)

回答

がんセンターの課題として、令和2年度に新棟が医業した際、450床を運用するため例年になく新人看護師を採用した一方、がんセンター旧病棟でのコロナの臨時医療施設の運営に1病棟相当のベテラン看護師を充てたことから新人看護師の教育が進まなかった。コロナが収束し1年程度経過し指導も進んできたため、令和6年4月からは態勢を整えていきたいと考えている。

(山本経営管理課長)

意見

県立病院はコロナで役割を果たした一方で負担も大きかったのだと理解した。

(入江委員)

健康福祉部

議案第1号 令和6年度当初予算案

(1)在宅医療への対応について

質問

新規事業である、地域における在宅医療等推進体制強化事業について、令和4年度までの5年間行われた在宅医療連携体制構築支援事業との相違点はどうか、また、今年度からの事業の効果をどのように見込んでいるのか。

(入江委員)

回答

地域における在宅医療等推進体制強化事業のうち、在宅医療連携促進支援事業は、来年度からの次期県保健医療計画において、新たに「在宅医療に必要な連携を担う拠点」に位置付けられる市町村に対し、在宅医療に関わる幅広い関係者の連携強化のための取組等に対して補助するものです。

一方、在宅医療連携体制構築支援事業は、平成30年度から、介護保険法に基づく在宅医療・介護の連携を推進する事業の実施が、市町村に求められることになった際、医療サイドからも連携体制の構築を支援するために、地区医師会への補助事業として実施したものです。

県としましては、在宅医療に関する連携の要は、市町村と地区医師会の双方と考えており、市町村においては、これまで地区医師会等の関係団体とともに、介護保険の対象となる高齢者を中心に在宅医療・介護の連携体制構築に取り組んでいただいたところですが、新たにこの県補助事業を活用し、対象者を介護保険の対象外となる方にも広げていただくことで、地域の実情に応じた在宅医療の連携体制が更に充実するものと期待しているところです。

(井本医療整備課長)

質問

昨年度の新規事業として、往診体制広域連携支援モデル事業がスタートしている。今年度における取組状況と課題はどうか、また、令和6年度において、どのように実施していくのか。

(入江委員)

回答

往診体制広域連携支援モデル事業は、在宅医療を実施する医療機関に対して、かかりつけ患者に夜間や休日の往診が必要な場合で、自らが対応できないときに、代わりの往診医を紹介する取組に対して支援を行うものです。

人口当たりの往診等を行う医療機関の数が最も少ない印旛保健医療圏において、昨年8月から医師の紹介を開始したところであり、本年2月1日時点で、4医療機関がサービス利用のための契約を締結し、192名の在宅療養患者に対する往診体制が整えられているところです。

課題としては、今後も増加が見込まれる在宅医療需要を踏まえ、より多くの医療機関にサービスを利用いただけるようにすることと考えており、医療関係者の御意見も伺いながら、実施方法の改善を図るなど、在宅医療提供体制の充実を図っていきたいと考えています。

(井本医療整備課長)

要望

昨年2月議会において、3年程度のモデル事業と聞いている。在宅医療の支援にかなり県内格差があるため、こうした事業も同時平行で進めるということなので、課題に対する対応についても、新年度よろしくお願いしたい。

(入江委員)

質問

新規事業として、在宅医療BCP策定促進研修事業が盛り込まれたが、対象とする医療機関におけるBCPの策定状況はどうか、また今後どのような目標で取り組んでいくのか。

(入江委員)

回答

今年度、県内医療機関等を対象に実施した在宅医療実態調査の結果によると、在宅医療を担っていると回答のあった医療機関 564施設のうち、BCPを策定済みである施設は9.2%にあたる52施設でした。

このうち、在宅療養支援の中核を担う機能強化型在宅療養支援病院における策定率は、約2倍の18.5%でしたが、保健医療計画上、「在宅医療において積極的な役割を担う医療機関」として、他の医療機関等の計画策定を支援する役割が期待されていることから、令和8年度までにその策定率を100%とすることを計画上の目標として目指してまいります。

(井本医療整備課長)

要望

令和8年度に100%の目標達成とのことだが、例年のように様々な災害が起きている。人工呼吸器を使用して在宅療養されている方の救急搬送等も計画に含まれていると聞いているので、目標年次を待たずに早期に達成を目指していただきたい。

(入江委員)

(2)児童相談所の機能強化について

質問

続きまして2点目、児童相談所の機能強化についてです。

令和6年度における児童相談所職員 5職種、についての確保状況はどうか、また、各児童相談所において、専門職の配置基準について、クリアできる見通しなのか。

(入江委員)

回答

本年度の採用試験におきまして、児童福祉司等の児童福祉専門職の採用予定者数は、合計155名のところ、2月 2日時点で、89名の採用見込みとなっております。

また、6年度の各児童相談所の専門職につきましては、現時点で配置基準を超える職員の配置ができる見通しとなっております。

(加賀谷健康福祉政策課長)

質問

採用状況はかなり厳しいようですが、配置基準はクリアできるというお話だった。その中に主に船橋市であるとか、柏市、こういった中核市から派遣された職員という方も含まれての配置基準のクリアというふうに、承知しているが、併任職員の数というのは、令和6年度当初どれぐらいの見込みとなっているのか。

(入江委員)

回答

令和 6年度の当初の市町村からの職員については、現在調整中のため、人数等については答えることははできませんが、参考までに令和4年度が21名、令和5年等が17名ですが、おそらくそれ以上の受け入れができるのではないかと考えております。

(加賀谷健康福祉政策課長)

質問

まだ見通しが現時点で立たないということは理解した。

昨年の3月 31日、厚労省の方から児童相談所運営指針の改正という通知があり、その中で児童福祉司と児童心理司については、スーパーバイザーという職を、きちんと設けて、新しく入った新人の方も含めてフォローしていくということだと思うが、千葉県においてスーパーバイザーの人数であるとか、配置状況については、いかがか。

(入江委員)

回答

児童福祉司のスーパーバイザーですが、こちらは概ね5年以上の児童福祉司の職務経験を有する法定の義務研修を受けた職員となり、児童福祉司5人につき1人を配置し、指導教育にあたるというものです。令和5年4月現在の状況では、2か所の児童相談所では基準数を不足してますが、4か所では基準数を越えて配置している状況です。研修の状況ですが、受講資格のある職員に対して受講を進めており、今年度は約 20名が受講しています。

児童心理司のスーパーバイザーについては、法律上定めはありません。配置や研修の義務はありませんが、児童相談所運営指針において、児童相談所に置くことを標準とする職員としての記載があります。こちらでは少なくとも 10年程度の経験を有する相当程度のものとなっています。経験を有する児童心理司においては、総合調整や部下の育成の役割を担うということであるので、児童相談所の診断指導課長やグループリーダーとして置かれているという状況になります。

(山本児童家庭課長)

要望

全体として専門職の確保が厳しい難しい中で、特に児童指導員であるとか、今年度は保育士が募集人数に達しない応募状況にあったということで、依然として厳しい状況の中、様々な手をうって、確保に努めていただいているのは理解している。

そういった状況の中で、質の向上にも、あわせて取り組んでいただき、この間一人で抱え込んでメンタルをやむということが見られたので、そのようなことがないように、きめ細かな人材の養成・確保に努めていただきたい。

(入江委員)

質問

ICT活用による業務改善について様々行われているが、これまでの成果と課題はどうか。また、新年度においてどのような改善を見込んでいるのか。

(入江委員)

回答

令和4年2月に新たな児童相談所支援システムの運用を開始し、会議資料の自動作成機能や同システムを活用した警察との情報共有を迅速に行うなど、業務の効率化を図ることができたと考えています。特に情報共有では、休日や夜間などの対応が人員を省き迅速に対応できていると思います。また、本年度は、類似事例を確認・参照し、ケースに応じた速やかな対応を可能とするため、このシステムにAIを活用した高度検索機能を、現在、試験導入しているところです。

課題としては、児童相談所職員の増員を図っていることから、新たに業務に取り組む職員に対し、システム操作の周知徹底も必要であると考えています。今後は、動画による操作研修など周知に取り組んでまいります。また、稼働から2年程度経過しているので、現場で活用する職員から検索機能の強化などシステムの改善要望があります。そのため、今後、児童相談所職員の意見を参考にシステムの改修を行ってまいります。

来年度は、電話でのやり取りを自動で文書として記録する機能等を有するシステムである音声マイニングシステムとAI技術を活用した相談支援機能を加えて試験導入することを予定しています。

(山本児童家庭課長)

質問

48時間以内とされている初動の安全確認を民間に委託する事業が新年度から始まるが、具体的にどのエリアにおいて、どのような体制で進めていくのか。また、他の自治体でもすでに同じような事業があると聞いているが、どのような点を参考にしたのか。

(入江委員)

回答

児童安全確認民間協力員事業ですが、今回の事業で予定しているのは、中央児童相談所、市川児童相談所及び柏児童相談所の管轄区域とし、約500件を想定しています。また、安全確認を行う体制は、1事業者への委託で、安全確認は2チーム体制とし1チームあたり2名で行うことを予定しています。

他自治体からの参考とした点ですが、安全確認業務の実施体制として、2名2チーム編成や、業務フローとして、訪問の際に県の委託を受けて訪問していることを説明すること、訪問後の対応として対応の結果を児童相談所に報告を行うことなどを参考にしています。

(山本児童家庭課長)

要望

児童相談所の負担軽減ということだが、個人情報の管理や責任範囲について民間に委託するわけなので、契約の時にしっかりと穴がないような形で詳細に詰めていただきたい。

(入江委員)

質問

児童相談所一時保護所の環境改善について、新年度予算における修繕・維持改修費の金額、措置状況についてはどの程度見込んでいるのか。児童相談所一時保護所の現場の方から要望があった箇所についての対応はどの程度進められているのか。

(入江委員)

回答

令和6年度の児童相談所の修繕について、予定しているのが市川児童相談所における一時保護所の浴室のタイル等の修繕、東上総児童相談所におけるトイレの洋式化、銚子児童相談所で一時保護棟の浴室の給湯設備の修繕等、合計で 1,570万円を計上しているところです。

令和5年度では、各児童相談所と連携しながら修繕を進めているところで、現在約 1,800万円程度執行しています。

さらに、児童家庭課で市川児童相談所一時保護所棟の空調設備更新工事を約 2,300万円で実施しています。

概ね必要な修繕は進んでいると考えているところですが、修繕箇所は今後も発生してくると考えていますので、引き続き、児童が一時保護所で安心して生活できるよう児童相談所と連携して修繕に今後も取り組んでいきたいと考えています。

(山本児童家庭課長)

要望

昨年6月、会派で中央児童相談所天台一時保護所に伺った折に、その1年半くらい前に視察した時とほとんど変わらないということで、代表質問でも早急な対応を求めた。

その後に児童相談所の現場の職員の方々と色々相談をして、対応してくださっていることがわかった。ありがとうございます。

様々、法律によって子どもの権利擁護や意見表明が進んでいるが、まず何よりも今、保護所で生活している子ども達の環境を良くすることを怠りなく、注力していただきたい。このことを重ねて申し上げたいと思う。

(入江委員)

(3)フードバンク活動支援事業

質問

新年度予算に新たに盛り込まれたフードバンク活動支援事業について、伺いたい。

1点目として、県内フードバンク団体の活動状況をどのように把握しているのか、また県が新たに活動支援を行う背景や意義についてどのようなものか、2点目として、農水省の補助金が、フードバンクの活動支援に入っているようだが、今回の事業の今後の見通しも含めて、県として財源確保についてどのような見通しを持っておられるのか。

(入江委員)

回答

フードバンク活動支援事業についてご説明させていただきます。

まず、令和 5年 8月に、フードバンクちば等の団体により設立された、千葉県フードバンク団体連絡会からの情報提供により、団体については把握しておりまして、NPO法人や任意団体等が運営しているフードバンク活動団体として、現在 8団体を把握しております。

また、この他に、市の社会福祉協議会が運営するフードバンクとして6か所を把握しているところです。

次に、補助金の背景や意義ということですが、フードバンクは、その柔軟性や迅速性から、制度では対応できない生活困窮者の支援を担っており、県として活動を促進すべきものと認識しております。

補助金の「背景」ですが、特に県内では様々なフードバンク活動団体がある一方で、地域の偏在等の課題もあると聞いており、県内全域の活動を円滑化するという観点から、今回、ネットワーク構築の支援を事業化いたします。

また「意義」ですが、企業等の協力等を得て、生活困窮者等に対して食品を無料で提供するフードバンクの活動を円滑化するとともに、活動を県内各地域に広げていくため、県全域でフードバンクが連携して活動できるよう、ネットワークの構築等を支援することが意義と考えています。

財源の方のお話ですが、まず国の予算措置につきましては、国の動向を注視していくということになりますが、県予算につきましては、事業を行いますので、その事業効果等を検証しながら、検討してまいりたいと考えております。

(始関健康福祉指導課長)

要望

まずご説明の中で意義について、お聞きしたところであるが、今回このような事業を県の一般財源を使って、新たに始めていただくということについては大変意義深いことであり、非常に嬉しく思っている。

フードバンクは、かなり前から活動しているが、いわば手弁当で、しかも、様々な民間の資金助成などで、運営されていた。

そういった中で、コロナが長引くなかで、生活に困窮する方が非常に増えている。今朝の報道でも生活保護の受給者が非常に増えたというようなこともあったが、こういった公益的な事業を県が支えていくことについて、しっかりと効果も見ていただきながら、支えていただきたいというふうに思っている。

フードロスを無くすということに加えて、支援が必要な方に、福祉的な行政の支援につなげていくなど、様々な面を持った事業なので、しっかりとこれからも官民の連携で、また、庁内横断的な視点で、この事業というものを見ていっていただきたいと思う。

(入江委員)

議案第25号 補正予算

(1)介護・障害福祉の職員・看護補助者の処遇改善について

質問

介護、障害、福祉の職員、そして看護補助者の処遇改善ということで30億3,800万円が計上されている。それぞれの対象人数と交付補助額、支給時期の見通しはどうか。

(入江委員)

回答

介護職員の処遇改善に係る補助金についてお答えします。人数は県内の介護職員約6万9千人を対象とすることを想定しており、1人当たり月6千円、令和6年2月から5月までの4か月分の賃上げに相当する額を計上しておりまして、交付額は全体として16億5600万円計上しております。支給時期につきましては、2月から5月までの分の介護報酬をもとに支給額を算定しますので、それ以降の事務処理となりますが、なるべく早期に支給できるように努めてまいります。

(上林課長)

回答

障害福祉サービス事業所等の職員数については、3万6,000人を対象としており、1人当たり月額平均6,000円の賃上げに相当する額を、令和6年2月から5月までの4ヶ月分を支給することとして、総額8億7,000万円を計上しております。

支給時期については、今後、補助金の交付申請等を受付、審査する必要があることから、できるだけ早く支給したいと考えております。

(鈴木障害福祉事業課長)

回答

看護補助者の処遇改善事業の対象人数については、約 1万 5,200人と想定しています。交付補助額につきましては、賃上げ月額 6,000円を、令和6年2月から5月までの4ヶ月分を支給することとして、総額 3億 6,500万円と想定しています。支給の時期については、令和6年7月から8月頃を見込んでいます。

(井本医療整備課長)

質問

いずれも、国の緊急措置ということで前倒しで行うとのことですが、その背景には人材不足ということがあるということですが、それぞれの職種についての、今後、不足されると思われる人数やそういった推計は、県にあるのか。

(入江委員)

回答

介護職員につきましては、令和 3年 7月に厚生労働省が公表しました第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数によりますと、団塊の世代が 75歳以上になる令和 7年度には、本県の介護職員は約 10万 2000人が必要とされる一方で、実際に確保できる見込みであるのは、約 9万 5000人とされておりまして、約 7000人の介護職員が不足すると見込まれております。

また、高齢者人口が概ねピークを迎えます令和 22年度には約 12万 2000人が必要とされる一方で、実際に確保できる見込みであるのは、約 9万 1000人とされており、約 3万 2000人の介護職員が不足すると言われております。

(始関健康福祉指導課長)

回答

障害福祉分野の人材の不足等の状況については、具体的な調査等を実施していないため、具体的にはお答えできませんが、厚生労働省が作成しております全国の状況としては、障害福祉サービス等の利用者数が、平成18年度以降の15年間で3倍以上に増加している中で、実際にサービスを担う職員数の増加については、約2倍弱となっており、その差が年々広がりつつある状況です。

また、令和4年度の障害福祉サービス等従事者を含む関係職員の有効求人倍率についても、全職業の1.16倍に対して3.34倍となっており、人材が不足していると認識しております。

今後の見通しについては、令和6年度の報酬改定により、さらなる障害福祉分野の処遇改善が見込まれるため、人材の確保・定着に一定の効果はあるものと期待されますが、それでもなお、引き続き厳しい状況にあると認識しております。

(鈴木障害福祉事業課長)

回答

看護補助者については、国や県において将来的な需給推計等の調査を実施していないことから、不足数に関する状況は分かりかねるところです。

(井本医療整備課長)

要望

いずれにしても、非常に厳しい人材不足ということが覗えるが、月額6,000円のアップだけでは、到底この先厳しいのかなというふうに思う。

この件、国として報酬アップに繋がるような政策を打ち出すように、県の方からも働きかけを強めていただきたい。また、県としても、どのような政策が有効なのかということはなかなか厳しいとは思うが、できることは財政的な措置も含めてやっていくというようなことで、引き続き、あまりのんびりしていられないが、そういった研究・検証も取り組んでいただきたい。非常に厳しい状況が分かった。

(入江委員)

(2)障害者グループホーム等の整備促進

質問

88,026千円の増額補正の計上であるが、国からの補助が2分の1とのことだが、国にどのような手続きを経て、申請を行っているか、また、令和5年度における事業者からの申請件数と、国の採択件数はどのようになっているか。

(入江委員)

回答

グループホームなど障害福祉サービス施設等に係る施設整備補助金については、例年夏頃までに翌年度の整備事業に関して、優先的に整備を行う施設等を定めた施設整備方針を策定し、その後事業者に対して要望調査を行っているところです。

国の予算が限られていることから、要望が多数上がってきた場合には、施設整備方針で定めた優先度等を踏まえ、国への協議を行うこととしていますが、秋頃、国が補正予算を組んだ場合には、事業者の意向などを確認し、翌年度を待たずに早めに整備に着手できるものは、今回のように2月補正予算に計上し、前倒しで国に協議を行っているところです。

また、令和5年度の事業者からの申請件数と国の採択件数ですが、令和5年度整備分については、事業者からの申請件数が17件、最終的に国から採択された件数は7件です。

(鈴木障害福祉事業課長)

質問

過去3年間の整備状況について、地域偏在のないように、整備が進められているのか、また国の予算が十分ではない気もするが、そういった点は拡充されてきているか。

(入江委員)

回答

整備にかかる地域偏在の状況ですが、過去 3年の採択事業の整備地としましては、令和 2年、3年、4年で申し上げますと、令和 2年度については、葛南、印旛、海匝、長生、安房、君津、市原の各圏域、令和 3年度については、1件でしたが、君津地域、令和 4年度については、葛南、印旛、海匝、安房の各地域となっており、都市部だけでなく、ある程度、各地域、県内各地で補助金により整備が進められていると認識しております。

ただ、初めに申し上げたとおり、整備を希望されている事業所はたくさんありますので、さらに、国庫補助額を多くしていただけると、整備しやすくなってくると思います。

(鈴木障害福祉事業課長)

質問

障害があっても、地域でありのままに暮らし続けるためには、非常に重要な事業だと思う。入所希望者の方の待機もあると聞いてるが、そのあたりの状況と、今後の見通しについてはどうか。

(入江委員)

回答

令和5年4月1日現在、障害者支援施設いわゆる入所施設の入所の希望者は445名、グループホームの入居希望者は 163名となっております。重い障害のある方を受け入れるグループホームも徐々に増えてきたことなどから、グループホームも含めた地域移行も進んでおり、この 3年間で、入所施設への希望者は50名減少、グループホームへの希望者も 46名減少しております。

今後の見通しですが、入所を希望される方の中には、強度行動障害のある方とか、医療的ケアが必要な方など支援の難しい方も含まれていることから、引き続き、毎年策定する施設整備方針において、そうした方を受入れるグループホームの整備に対して、優先的に補助をしていくとともに、来年度からは、新規の開設、運営等の支援や相談に対応するグループホーム等支援ワーカーを県所管の各圏域に増員いたしまして、地域での受け皿の拡充に取り組んでいきたいと考えております。

(鈴木障害福祉事業課長)

要望

新年度からグループホームの支援ワーカーという、そういった方も、配置していただくということで、非常に県として、この分野に一生懸命取り組んでいる、ということがよくわかった。

引き続き、整備の促進に向けて、ご努力いただければと思う。

(入江委員)

議案第87号 児童福祉施設の整備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正

質問

新たに里親支援センターが位置づけられ、5つの事業、里親のリクルートや研修、訪問支援など全ての業務を実施しなければならないということだが、現在の県の里親支援に関する取組状況と新たな里親支援センターを踏まえた今後の方向性はどうか。

(入江委員)

回答

今年度から、里親の新規開拓、広報啓発や研修、里親への養育支援まで一貫してフォスタリング機関で実施しているところです。

これまで国から里親支援センターに関する設置運営要綱等が発出されていない状況で、詳細が不明であるため、本年4月の開設は困難であると考えています。このため、令和6年度は引き続きフォスタリング事業を行うことにしています。

今後、国から里親支援センターに関する詳細が示された後に、令和7年度の開設に向けて準備を進めてまいります。

(山本児童家庭課長)

要望

現在でも民間委託であったり直営であったり、それぞれの都道府県で様々な形だが、国からのガイドラインなどが示されるまでにも、他県の状況も踏まえて、どのような形で運営していくのかなど検討してもらいたい。

(入江委員)

諸般の報告・その他

(1)能登半島地震への職員派遣について

質問

諸般の中で能登半島地震にかかわる保健医療福祉支援活動について報告をいたただいた。

この件について非常に多くの職員の方々が支援活動に従事したということだが、現地で感じた課題、今後、県の施策に生かしていくようなこともあったかと思う。現在の取組状況であるとか、また何か今後について考えていることについて聞かせてほしい。

(入江委員)

回答

被災地での保健活動を行ったことについて感じた課題とその課題の生かし方についてお答えします。

災害時の保健活動については、日々状況が変化する中で臨機応変な対応が求められていました。

平時から保健師自身がどのように活動を展開するのか、基本的な知識と実践力を日頃から培っておく必要があると感じています。

既に県の中で、派遣保健師や派遣栄養士の方から被災地支援の中での改善点や現地で学んだことについて報告いただいていまして、改善できる部分について、次の派遣活動に反映させているところです。

今後は、これらの取組について、派遣に応じた市町村だけではなく、派遣に応じていない市町村も含めて情報共有を図ることで、市町村保健師等の災害への意識醸成を図るととともに、今後の対応能力の向上を図ってまいりたいと思っています。

(塚田副技監)

要望

非常に貴重な学びを得て今後の取組につなげていくということを御報告いただき心強く思っている。

協議会の地震津波対策議連の中で報告をうかがったおりに派遣リストについてあらかじめつくっておいた方がいいのではないかという話があったので様々これから取り組んでいくということでよろしくお願いする。

(入江委員)

(2)次期保健医療計画における在宅医療の推進について

質問

今年度、千葉県在宅医療実態調査を行い計画づくりに取り組んでいるということだが、この調査によってどのような実情や課題が明らかになったのか。また、現在策定中の保健医療計画の改定にどのようにつなげているのか。

改定内容、また、在宅医療についてもロジックモデルが今回の計画から位置づけられているが、その考え方と内容についてもお聞かせいただきたいと。

(入江委員)

回答

まず、在宅医療実態調査ですが、現行計画の改定に当たり県内の病院・診療所のほか、在宅療養支援歯科診療所、また在宅患者訪問薬剤管理指導等対応薬局、それから訪問看護ステーション、合計6,979施設を対象に実施した調査となります。

調査において、在宅医療を提供する上での課題を聞いたところ、これら全ての施設において「在宅医療に従事する人材の確保」が最も多い回答となりました。また、自然災害が近年頻発していることを受けて、BCPの策定状況を確認したところ、特に医療機関においては策定率が1割未満と低く、未策定施設の半数程度が「策定方法が分からない」と回答しました。

こうした点に着目し、今後とも、在宅医療に従事する医師等の量的な人材の確保に取り組むとともに、限られた人材でも、効果的で質の高いサービスが提供されるよう、多職種連携を促進することが重要と考えています。また、BCPの策定が円滑に進むよう、医療機関を対象とした支援が必要と考えており、これらの取組を進めていくための事業を予算に計上しています。

次に、医療計画における改定内容とロジックモデルの関係ですが、次期保健医療計画では、実態調査の結果や、医療審議会等における関係者からの御意見を踏まえ、引き続き、在宅医療を担う人材や施設の増加に取り組むとともに、地域における多施設・多職種間の連携の更なる強化が図られるよう、新たに、「在宅医療において積極的役割を担う医療機関」や「在宅医療に必要な連携を担う拠点」を位置付けることとしました。また、災害時にも適切な医療等を提供するための支援体制を確保するため、病院、診療所の業務継続計画、BCPの策定の促進にも取り組むこととしたところです。

それから、今回の改定から、施策と成果の関連性を「見える化」し、より実行性のある施策・事業を検討するため、「ロジックモデル」を活用することとしており、計画策定後も、毎年の進捗管理に活用する予定です。

在宅医療については、「年齢、病気・障害の有無にかかわらず、住み慣れた土地で自分らしい生活を送れている」ことを最終アウトカムに設定し、これを評価するための指標として、「介護が必要になっても自宅や地域で暮らし続けられると感じる県民の割合」を設定しました。

また、この最終アウトカムを達成するために必要な中間アウトカムとして、「入院中の患者が、安心して退院し、早期に住み慣れた地域で療養を継続できる」と「患者が急変時においても適切な医療を受けられ、安心して住み慣れた地域で最期を迎えられる」の2項目を設定し、「入退院支援実施件数」や「往診実施件数」といった8つの評価指標を設定しました。

更に、2つの中間アウトカムのうち前者を実現するための個別施策として、「退院支援」と「日常の療養支援」を、また、後者を実現するための個別施策としては、「急変時の対応」と「看取り」の合計4つの取組を設定しました。これらについても、「入退院支援を実施している診療所・病院数」「在宅患者訪問診療実施診療所・病院数」等、合計23の評価指標を設定したところです。

(井本医療整備課長)

質問

市町村が主体となって、在宅医療も含めた医療・介護の包括ケアを進めていくということだが、医師会との連携が中々できていないところであり、県として、これからどのようにサポートしていくのか。

また、県内の医療資源に非常に格差がある中で、特に在宅医療についても、格差があると思われるので説明いただきたい。

(入江委員)

回答

まず、市町村に対する支援については、来年度から新規に開始する在宅医療連携促進支援事業が県としては大きな取組になります。県内市町村の在宅医療を推進するための取組に対し、幅広い支援を行えればと考えています。

また、県内における在宅医療資源の分布については御指摘のとおりであり、一例を申し上げますと、人口10万人当たりの在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院の数についても、地域差が見受けられるところです。

県平均では、在支診は人口10万当たり6.7施設、在支病は0.9施設ですが、県内の医療圏ごとに見ると、最も多い安房医療圏では在支診が11.4施設、逆に最も少ない山武長生夷隅医療圏では4.3施設となっています。また在支病についても、最も多い安房医療圏5.2施設に対して、最も少ない東葛北部医療圏では0.5施設となっています。

こうした県内における在宅医療を担う資源のアンバランスについて、県としては、そもそも千葉県全体が全国的な比較の中では決して高い水準ではないこ

とも踏まえ、今後充実に努めていきたいと考えています。

(井本医療整備課長)

要望

後程、常任委員会含めて皆さんに資料も提供いただきたい。超高齢社会に突入した今、千葉県は全般的に医療資源が少ないが、特に在宅医療については、コロナの経験も踏まえて、しっかりと県が中心となって政策を講じていただきたい。

民間の病院経営の中では採算があまりいい部分ではないと思うが、多職種連携という話もあったので、様々な機関と連携していただき、市町村ももちろん主体であるが、進めていただきたい。

(入江委員)

資料:千葉県保険医療計画試案(別冊・地域編)抜粋