ゆめふる成田を視察

昨日は、社会福祉法人菜の花会が運営する障害者支援施設「ゆめふる成田」を視察。
同施設は自閉症や強度行動障害といった重い障害を持ち、自傷や他害行為をしてしまう方々が入所しています。
ご案内いただいた同法人の小林勉理事長や藤崎次長との出会いは、11年前に遡りますが、今回は一昨年開所した新しい施設を見学させていただきました。

2013年12月、県立袖ケ浦福祉センターにおける19歳青年虐待暴行死事件を契機に、複数の職員が重い障害を持つ入所者9名に虐待暴行を行っていたことが判明し、社会を震撼させました。
この事件の真相解明やセンターの今後の方向性について、第三者検証委員会が開かれ、重度障害を持つ方々を支援してきた民間施設のご尽力もあり、センター廃止と利用者の地域移行の方向性が決定されました。

当時、健康福祉常任委員会に所属していた私は、重度障害のある方々を積極的に受け入れ、一人ひとりに丁寧に向き合ってこられた菜の花会の小林理事長を訪ね、それ以降、何度か会派の仲間も誘い、ご教授いただいてきました。
今回は、障害福祉に携わった経験のある高山八千代市議と津曲元船橋市議をお誘いしました。

「ゆめふる成田」の特徴は、ひとり一人に合わせてつくられた個室と6人ユニットを基本とした少人数の生活空間。
個室は、趣味や課題を行う場所、寝る場所がゆとりをもって確保され、そこに住まう楽しみ・得意とすること・強いこだわりなどをできるだけ理解したうえでオーダーメイドでつくられています。
カラオケルーム付きや専用玄関付きといったユニークな部屋もあれば、何もないシンプルな部屋もあり、そこに住む方の障害特性を考慮しながら、職員さんたちが仕事終わりに20回以上の会議を重ね、設計したそうです。

平屋づくりで、春・夏・秋・冬の4棟に分かれ、40とおりの部屋がそれぞれ違った「スタイル40」。
このユニークな建物を目当てに多くの来訪者があるとのことですが、小林理事長は「中身が大切。支援・ケアの方にも関心を向けてほしい」と言います。
書き尽くせないないほど、大切なことを沢山ご教授いただきましたが、小林理事長の先見性とバイタリティーには、いつも感服しています。

障害があっても地域で安心して暮らし続けられる社会という理想を現実に近づけていくチャレンジを応援し、国や県・市町村で何ができるのか、何をすべきか、引き続き考え、行動していきたいと思います。