平成27年予算委員会 3日目 3月4日
目次
医師養成確保について
市民ネット・社民・無所属、佐倉市選出の入江晶子です。予算委員会最終日の質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、医師養成確保について伺います。
千葉県の医師、看護師など医療人材の不足は深刻です。とりわけ医師の数については、全国45位、昨年4月に発表された調査によると、10年後の37年時点での必要医師数は、厳しく推計した場合、1,170人不足するという調査結果も出されております。千葉県では、新年度予算で医師の修学資金貸付制度の対象枠を9名拡充しましたが、まだまだ足りません。そこで、まず県内の医療機関における初期研修医の数、後期研修医の数の推移はどうかお伺いいたします。
医療整備課長の目黒でございます。
県内の初期研修医の採用数は、平成24年度が290人、25年度が295人、26年度が329人となっております。また、後期研修医の採用数でございますが、平成24年度が279人、25年度が270人、26年度が314人となっております。
少しずつふえているのかなという印象を持ちました。
初期研修に引き続いて後期研修を県内の医療機関で受けていただくためには、すぐれた指導医を確保して、また魅力あるプログラムをつくっていくことが決め手になるというふうに聞いておりますけれども、そこで質問いたします。
研修を終えた後のドクターの定着率はどのようにこの間推移してるでしょうか、お伺いいたします。
初期研修医の研修後の県内の定着率でございますけども、平成24年度が52.5%、25年度が56.9%、26年度が61.1%というふうになっております。なお、後期研修医につきましては、診療科によりまして研修期間がさまざまであり、かつ複数の病院で勤務する医師もあることなどから、把握が難しい状況となっております。
少しずつですけれど、千葉県内の医療機関にドクターが働き続けてくださっている、そういった数字が見えてまいりました。これから千葉県としても各臨床研修を行っている病院を財政的に、また人的に支援することで、千葉県でお医者さんが働き続けてもらえる、そういう環境づくりに向けて鋭意努力していただきたいと思います。
それで、次に移りますけれど、プライマリーケア医について質問いたします。
私は、とりわけ今後の地域医療の核となるプライマリーケア医に注目してまいりました。総合医、家庭医とも呼ばれ、患者さんを臓器別ではなく、診療科の枠を超えて全人的に見ることができる、幅広い疾病に対応することのできるドクターをプライマリーケア医と呼ばれております。ようやく日本でもその必要性が認められまして、厚労省は平成29年から新たな診療科として総合診療専門医の導入を決定いたしました。私も長野県の諏訪中央病院、また、佐久総合病院など、こういったプライマリードクターが活躍する医療現場を訪れまして、このプライマリーケア医の重要性、そしてこれから千葉県にとってぜひとも必要なドクターであるということを確信してまいりました。
そこでお伺いいたします。家庭医、総合医といったプライマリーケア医の養成、確保に向けて、県の取り組みによりこれまでどのような実績が上がっているのかお伺いいたします。
県の取り組みでございますけれども、平成25年度は総合診療部門を新たに設置して研修医の教育に取り組む5つの病院に補助を行うとともに、総合診療医のやりがいや魅力を紹介した冊子を1万部作成いたしまして、広く発信をしたところでございます。
また、平成26年度でございますけど、総合診療専門医の養成プログラムを作成する医療機関への補助制度を創設いたしまして、6病院に補助を行ったところでございます。
専門医の養成には一定の時間を要するものでございますけども、これらの取り組みによりまして、今後、より多くの総合診療医の養成、確保につながるものというふうに考えているとこでございます。
ありがとうございます。県でも千葉大と連携して医師キャリアアップ・就職支援センターというところで主に医師確保の事業を行っているわけなんですけれど、私の身近な関係者に聞きましたところ、まだまだこういった千葉県の取り組みが知られておりません。
先ほど御説明の中であった冊子も、第1号ということで、大変見応えのある冊子がつくられているんですけれど、その後発行されていないということで、やはり千葉県、また県内の医学生もそうですけど、県外の医学生にも、ぜひこういった千葉県の取り組みをもっともっと発信していくことが必要なのではないかなというふうに思いますので、これからもよろしくお願いいたします。
次の質問ですが、県内の医療機関における総合診療医養成の環境整備に向けて、新年度、27年度にどのような予算が計上されて支援を行っていくのかお知らせください。
平成27年度も引き続きまして総合診療専門医の養成プログラムを作成する医療機関への補助を行いまして、総合診療専門医の養成を支援することといたしております。当初予算額に30病院分の4,900万円を計上したところでございます。
ありがとうございます。4,900万円と、まだまだ予算的には小さな規模ですけれど、将来、ドクターが一人前になるまで10年以上要しますので、やはり将来の種をまいていくという意味でも、もっともっとこういうところに予算づけをしていくべきではないかなというふうに感じております。総合診療専門医ですけれど、これから高齢化が千葉県でも大変なスピードで進行する中で、地域包括ケアシステムであるとか在宅医療を推進する上でも大変重ねて必要な人材だと思いますので、ぜひ千葉県で他県に先駆けてこういったドクターを養成する、その取り組みを千葉大と一緒に行っていただきたいと思います。聞くところによりますと、千葉大学では、国からの事業が採択されまして、リサーチマインドを持った総合診療医の養成という事業をスタートしております。引き続き千葉大のドクター、関係者の方々と十分な情報共有、また連携を行って、千葉県で総合診療専門医、1人でも多く定着して働き続けていただくように力を入れていただきたい。重ねて強く要望させていただきます。
道路事業について
続きまして、がらっと変わりますけれども、県土整備部に質問をさせていただきます。
まず、初めに道路事業についてです。
近年、気候変動による水災害、とりわけ豪雨による土砂災害などが全国的に頻発しております。記憶に新しいところでは、2年前の25年度に10月、台風26号が本県を襲来いたしました。県内の被害額、相当なものというふうに思っております。このような災害復旧に加えて、また千葉県では既存のインフラ施設の更新、維持管理にも、この先大きな資金需要が生じるというふうに見込まれております。そこで、千葉県としては、やはり限られた財源です。あれもこれもといって新しい公共土木事業に税投入をするのではなく、既存施設の長寿命化や改修に優先的に予算投入を行っていかなければ、この先、立ち行かなくなるというのが私の考えでございます。また、防災の観点からも、県民生活を守るために必要な土木事業にきちんと予算をつけるべきと考えますので、こういった観点で何点か伺っていきたいと思います。
まず1点目として、27年度における橋りょう長寿命化事業の予算は50橋、24億円となっていますが、この長寿命化修繕計画の進捗状況はどのようになっているのかお聞きいたします。
道路環境課長、佐藤でございます。
長寿命化の現計画の対象である776橋のうち、点検の結果、対応が必要な橋梁は485橋であり、今年度までに105橋完了予定でございます。
平成27年度は50橋の修繕を予定しており、残る橋梁についても順次実施してまいります。
485橋のうち155橋が新年度予算で何とか対応できるということなんですけれど、この対象の橋にはランクがつけられていると聞きました。
AからEということで、緊急を要するものと、対応しなくていい橋がAということで、このそれぞれについて、完了する年度目途が計画には書かれておりましたけれど、この進捗というのは一体どうなっているんでしょうか。
とりわけ緊急対応が必要なEランクのもの、それから5年程度以内に補修を済ませなければならないとされているCランク、これについては現在の進捗はいかがでしょうか。
すいません。先ほどのところでちょっと訂正をさせていただきたいと思います。
対応が必要な橋梁は485ではなくて、458橋でございました。失礼いたしました。
今の御質問の緊急の対策が必要なEランク68橋につきましては、昨年度までに60橋完了しておりまして、残りの8橋について、これからやっていくとこでございます。
早急に対策の必要なCランクにつきましても231橋ありまして、現在15橋が昨年度までに完了したとこでございます。計画につきましては、29年度の完成に向けて事業を進めていきたいと考えております。
以上です。
計画の目途に比べて大幅に進捗がおくれているということではないかなと思います。Eランクについては2012年に完了することになっておりますし、Cランクについても2016年に完了する。
計画策定の平成22年から7年後にはCランクについても完了するということになっております。
この長寿命化の工事、事業が計画どおり進まない、その大きな理由というのはどのように捉えているんでしょうか。
一部の橋梁につきましては関係機関との協議に時間を要しているとこでございますが、29年度の完成に向けて修繕を進めていきたいと考えております。
時間がありませんので、次に進めさせていただきます。
次は、道路の冠水についてお伺いします。
県内の県が管理する道路で、25年、26年の台風等の大雨で冠水した箇所、その対応状況はどうなっていますでしょうかお伺いします。
道路冠水によって通行の危険となる箇所につきましては、通行どめの措置をしていくとこでありますが、平成25年度の台風26号では58カ所、平成26年度の台風18号では5カ所、冠水で通行どめしたところがございます。
県としましては、施設の点検や側溝の清掃など、対策について検討を進めているとこでございます。
こちらも道路冠水の対応が非常におくれているというふうに思います。こちらで私がいただいた資料をもとに数字を出してみたんですけれど、県の施設長寿命化予算ということで、新年度145億円、これが計上されております。
それで、この中には橋梁の長寿命化や排水施設の管理、河川管理のものも含まれておりますけれど、これに対して圏央道とか外環道とか、そういった新たな高規格道路の予算というのは足し上げますと505億円なんですよ。
ですから、国の直轄事業で負担金が決まっているのもあるとは思いますけれども、本当に不要不急の大型高規格道路を優先で進めていいのかという問題提起をさせていただきたいと思います。道路冠水や、また長寿命化にこそ優先的に税金を投入して進めるべきということを厳しく指摘しておきたいと思います。
治水対策について
3項目に入ります。治水対策についてです。
1点目として、県内における過去の水害の特徴と被害状況はどのようになっているのか教えてください。
河川環境課長の龍崎です。
県内の大きな水害として記録がある中では、台風や前線を原因とした大雨によりまして、昭和33年以降、13回発生してございます。
このうち台風の影響によるものが12回と大半を占めております。平成16年10月の台風22号以降は1,000棟を超える浸水被害はありませんでしたが、平成25年10月の台風26号では、内水と洪水被害を合わせまして4,705棟の床上・床下浸水被害が発生したところでございます。
時間が足りないので、全部質問できないんですけれど、私が伺いたかったのは、千葉県の水害っていうのは、そのほとんど、もう100%近くが内水氾濫なんです。
利根川の川が氾濫して破堤したりとか、そういったことはカスリン台風の後、六十数年間1度もないと。内水氾濫がもう9割9分。
そういった中で、千葉県の治水対策どうあるべきか。これを、やはりしっかりと考えていただきたいと思います。
今、千葉県は国の治水対策の直轄事業ということに負担金を、新年度は17億2,500万円出すというふうに聞いております。八ッ場ダム、そして利根川の中流部以下、下流にかけて大規模な工事を行って、千葉県の洪水の被害を軽減するための事業というふうに言っておりますけれど、これは本当に千葉県の内水氾濫を防ぐためには、全く治水対策としては役に立たない。
こういったことから、国の言いなりになって治水負担金を出すのではなくて、やはり千葉県民がいろいろこの25年、26年の台風などで水害被害を受けてるわけですね。そのことについていかに考えていらっしゃるんでしょうか。
河川整備課長の木村でございます。
治水対策としての考えでございますが、千葉県は利根川の最下流に位置し、利根川、江戸川沿川において合計180キロメートルの長大な堤防に接しており、一たび洪水の被害をこうむると、その被害は極めて大きいものと想定されます。
このことから、八ッ場ダム等によりまして利根川上流で洪水調節を行い、下流全川にわたり洪水時の水位を下げること、最下流に位置する本県にとって大きな治水上の効果があるものと考えてございます。
国が行う治水対策、県が行う治水対策、相互がバランスよく行われることにより、地域の安全・安心に寄与するものと考えてございます。