兵庫県立こども病院・こうのとりのゆりかごin関西
健康福祉常任委員会の2日目の視察は、子どもの命と健康を守るというテーマです。
午前に訪ねた兵庫県立こども病院は2016年にポートアイランドに移転。
中尾秀人院長からご説明いただきました。
1970年に全国2番目にできたこども専門病院はさらにバージョンアップし、290床、医師163名、看護師570名の体制で昨年4月に小児救命救急センターの指定を受けています。
医師確保については応募者多数とのことで、専攻医やフェローの数も84名。
小児がんセンターとしてあらゆるがんに対応できる体制です。
完全看護で小児麻酔の専門医がいることも特徴。
骨髄移植は年間20~30件で、いわゆるアヤ世代と呼ばれる若年層の学習支援にも力を入れています。
小児集中治療室の25床を救急科のドクター15名でローテートしながら24時間365日回しています。
ドクターヘリで鳥取、島根、香川からも搬送されてくるとのこと。
まさに命の最後の砦となっています。
午後は、NPOこうのとりのゆりかごin関西を訪問。
人見滋樹理事長から設立趣旨や背景をお聞きしました。
2007年に熊本の慈恵病院で始まった赤ちゃんの命を救う活動が広がらない中、望まない妊娠による中絶が増えています。
特に小泉政権下の規制緩和で非正規就労が増え、若い世代の貧困が広がり、また離婚の増加といった社会背景により、10代のケースが増えているそうです。
また、精神科医である小林和副理事長からは、こどもの権利についての世界の動きや日本の動きの鈍さ、意識の低さなどが語られました。
日本でも児童福祉法が改正されるなど少しずつ制度や意識は変わりつつあります。
しかし、まだまだの状況です。
そのような中、まさに高い志と使命感で立ち上げた活動がさらに発展するためには、関西に続く動きが全国的に必要です。
ぜひ千葉でもお願いしますとおっしゃった正副理事長さんの笑顔が印象的でした。