児童虐待死亡事例検証報告書(第5次答申)を受けて

昨年1月末、野田市で10歳女児が虐待により亡くなるという重大事件が発生。
翌2月から千葉県社会福祉審議会社会的養護検討部会において10回の検証委員会が開かれ、本日付で事実上の最終答申が知事に手渡されました。

午前に会派の田中代表と児童家庭課長から答申内容の概要説明を受け、報告書に目を通しました。
経過を通して、挙げられた共通する主な課題は次のとおりです。

  • 児童相談所の管轄人口が役割140万人と全国の児相の中でも突出していた。スーパーバイザーが抱える担当福祉司数など過重な業務負担で相談対応職員が圧倒的に不足していた。
  • 対象家族に係る情報収集やDVへの理解、全体を通じたアセスメントが不十分だった。
  • 担当者の知識不足、スーパーバイズ機能が適切に働かない、援助方針会議の形骸化など虐待対応後の基本が徹底されていなかった。
  • マンパワー不足は否めませんが、基本的なことが出来ていなかったことに尽きるという印象です。

これらの課題を踏まえ、改善策が提言されました。
児童虐待事案への対応の基本の徹底、研修の充実・強化、児相の人員体制強化、市町村等関係機関との連携強化、等々について、速やかに具体的な取り組みを求めています。

報告書の「おわりに」は
学校のアンケートに「先生、どうにかできませんか」と勇気を持って訴えた女児はなんとしても守られるべきだったし、救える命であった。
自ら救いを求めてきた女児の命が失われたことの重みを全ての関係機関、全ての職員が真摯に受け止め、得られた教訓を今後に生かすよう望みたい。
と結ばれています。

この痛ましい事件を受け、県議会でも児相の体制強化や環境整備に向けた予算付けや条例改正等を行なってきました。
27日開会の12月議会でも答申を受け、議論されることと思います。

尊い命が奪われ、希望ある未来が閉ざされた少女の無念を胸に刻みます。

児童虐待死亡事例検証報告書(第5次答申)を受けて