NPO法人 ハイティーンズサポートちば 設立記念講演会・総会
午後から、千葉市生涯学習センターで開かれたNPO設立集会に参加しました。
記念講演の講師は、NPO法人パノラマ代表の石井正宏さん。
社会に出づらい若者を色々な形で支援しておられます。
今回は、神奈川県立田奈高校での居場所カフェ「ぴっかりカフェ」のマスターとして、子ども若者支援のエッセンスを語ってくださいました。
高校生世代の見えざる貧困の実態、中退後のフォローなく福祉や就労のどちらの岸にもたどり着けずに漂う何万人もの若者の存在。
その数を減らす予防支援、福祉的マインドを持ったユースワーカーが必要と訴えました。
居場所カフェは、いわばサードプレイス。
ファーストプレイスの家庭やセカンドプレイスの学校や職場では、役割や立場が固定されているが、サードプレイスでは、子どもも大人も関係性が流動的とのこと。
先生や親ではない大人、さまざまなバックグラウンドを持った大人との出会いがあり、関係が生まれます。
困難家庭の子どもたちは、経済的に厳しいだけではなく文化的な経験も乏しく、人脈も狭く孤立化しやすいと言われています。
そんな子どもたちにとって、ぴっかりカフェは「文化的シャワーを浴びれる場所」だといいます。
誕生日にバースデーソングを歌ったり、七夕に浴衣を着て短冊に願い事を書いたり、そんな当たり前と思える出来事が人生で初めての経験。
だから生涯忘れられない一生の思い出になるのです。
石井さんいわく「学校を開くと学校に文化がなだれ込む文化資本のシェア」
学校を閉じた公共空間から開かれた公共空間へ。
私たちが有している健康で文化的な生活を営む権利。
憲法25条で保障されているというが、生活保護支給額では文化的資本にアクセスできていないという現実があります。
石井さんの場合は音楽という文化的資本が人とのコミュニケーションのフックとなり、生きる上での力になっているそうです。
特に印象的だったのは、専門性よりも関係性の図式。
「サードプレイスで出会うちょっと変な大人が生きるストライクゾーンを広げる」とご自身の経験を語ってくれました。
講演会後の総会では、すべての議案が承認され、快調な滑出しとなりました。
本格始動は、5月以降の見通しです。