八ッ場ダム情報公開裁判 完全勝訴!

8月2日東京地裁で八ッ場ダム情報公開裁判の判決言い渡しがあった。
当日は別件があり、法廷で傍聴できなかったが、なんと「完全勝訴」したとの
嬉しいニュースが入った。
この裁判は、八ッ場ダムが計画されている利根川の上流域に大雨が降った
場合の洪水量を計算するための図面を国が情報公開しなかったことを
受けて、弁護団長である高橋弁護士が訴えを起こし、争っていた。
治水面でのダムの必要性を検証するために、不可欠な資料であり、
墨塗りの状態、つまり不開示情報とされていた。

2003年秋、国から八ッ場ダム事業費が2100億円から4660億円に倍増する
計画変更を受け、千葉をはじめ首都圏の1都5県の仲間とともに「不要なダム
への税投入は認められない」と住民監査請求を行った。
その後、監査委員から「棄却・却下」され、各地裁で住民訴訟を提起した。
2,3カ月ごとに開かれた裁判では、原告である住民側が毎回の法廷を
書面のやり取りだけではなく、傍聴者にも内容が分かるように裁判所と調整を
重ね、新たな試みをしてきた。
パワーポイントを使っての意見陳述も、千葉地裁では初めてのことである。
私も生まれて初めて法廷に立ち、治水面での不要性を訴えるという経験もした。

あれから8年が経過したが、この間にいろいろな出来事があった。
一昨年の政権交代後に前原元国交大臣が八ッ場ダム中止宣言を出し、
やっぱり政権交代して良かったと喜んだのもつかの間。
その後国交大臣が次々と変わり、八ッ場ダムの本体工事には着手していない
が、周辺の国道・県道、鉄道の付替えなど付帯工事は着々と進められている。
この間、国交省関東地方整備局が関係都県と「検証検討の場」を開き、
「予断なき検証」を行っているというが、その実態はダム推進の国交省役人の
シナリオどおりの形ばかりの検証が行われている。
日本学術会議に治水面での根拠を検証するよう投げかけているが、
学者先生の権威の名のもとに「ダムありき」のゴーサインが出されるのでは
ないかと危惧する。
関係都県との会議は、すでに第6回が終了し、今秋にも「やっぱり八ッ場ダムは
必要だ。代替案はコストがかかり、現実的ではない」との結論が出されてしまう
のではないだろうか?
そうはさせまいと私たちも現在、水面下で作戦を練っているところである。

そんなところに今回の嬉しいニュース。
何よりも驚いたのは、今回の情報公開裁判で勝訴判決を出したJ裁判長が
先の東京地裁で不当判決文を書いた裁判長と同一人物であるということ。
人事異動があり、東京地裁での判決言い渡しのときは、最高裁にご栄転して
いたが、その後、また東京地裁に戻ってこられたようだ。
第一審判決で不当判決を受けた高橋弁護士だが、今回の言い渡しの時に
J裁判長に向かって「ありがとうございます!」と思わず言ってしまったという。

トップバッターの東京裁判の不当判決後、原告側は6連敗し、現在、東京高裁に
審理の場は移っているが、J裁判長の判決文をコピペしたような内容が各地裁で
出されており、談合裁判の疑いも大いに指摘されているところである。
何と不思議なめぐりあわせと喜ぶべきか、折込済みの人事異動と深読みする
べきか?
何はともあれ、八ッ場裁判弁護団、原告団にとって元気が出る明るいニュースと
素直に喜びたい。
菅政権も迷走中だが、八ッ場ダム中止については「公約」撤回は到底認められない。
政治主導で完全中止すべきだ。

今日(8/4)の日中は、柏市議選の応援に行き、
夕方からは脱原発1000万人署名の街宣活動をした。
原発もダムもいらない!
ドイツやイタリアの脱原発の原動力は、市民運動の高まりだった。
おとなしくいい子にしていたって、世の中ちっとも良くならない。