終わらない八ッ場ダム問題

11月24日(木)

先週19日(土)から2泊3日で仙台の実家に帰省。
久しぶりに両親とゆっくり話すことができました。
慌ただしい日常を離れ、つかの間のリフレッシュ!

冬間近で庭の景色も寂しくなっていましたが、温暖化の影響で
ここ仙台でもみかんが育つようになったのは、複雑な思いです。

仙台のみかん

こちらは、スズメ瓜
スズメ瓜

なんと沖縄原産です。

21日(月)昼過ぎに千葉に戻り、翌22日(火)は決算審査の
事実上、最終日。
午前中の水道局では、従来からの上水道に加え、今年度に企業庁から
移管された工業用水も審査の対象となりました。

いずれも八ッ場ダムや霞ケ浦導水の新規水源開発を推進し
水需要は頭打ちで水余りにもかかわらず、巨額の負担金を支出している
問題点を追及しました。

上水道については、八ッ場ダム完成(31年度中の予定)後の32年時点で
給水人口は301万4千人、水需要は112万9500㎥と予測しています。
これは、27年度の給水人口約299万3千人、約101万㎥の実績に対して
約2万人、約12万㎥増えることになります。
八ッ場ダムで日量12万6000㎥を確保するとしていますが、
これは果たして何人分の給水量に相当するのか?と聞いたところ
41万人分に相当するとのこと。
2万人程度しか人口は増えないのに、なぜ41万人分の水源開発が
成り立つのか?
生活用水の原単位、一人一日当たりの水使用量を過大に見積もっている
からに他なりません。

そこで、23年度からの原単位の推移を聞いたところ、239.4リットル
から27年度235.7まで年々減少しているにもかかわらず
32年度は251.3リットルと5年間で16リットルも増加するとのこと。
節水機器の普及や高齢化に伴う水使用の減少という実情に目を背け
ダムありき、ダム建設を自己目的化した単なる数字の辻褄合わせに
他なりません。
しかも、上水道では平成3年に取得した水利があるにもかかわらず
二十数年間も使われていません。
この未利用水に278憶7千万円も血税を投入していることも
明らかにしました。

一方、施設の更新・長寿命化を今後急ピッチで進めていかなければならず
今後の資金需要は2600億円超になるとのこと。
国のダム推進に唯々諾々と従うのではなく、最小の経費で最大の効果を
生み出すべく必要のない水利の返上、水の合理化を図るのが第一です。
過大な水需要予測の見直し、無駄なダム事業からの撤退を求めて
質疑しました。

工業用水についても、同様の観点で質疑。
27年度における7地区全体の給水実績は一日最大84万㎥。
32年度の必要量を103万9100㎥必要と見込み、
約20万㎥足りないとしています。
しかし、27年度時点でも売れていない水、すなわち未売水が
日量6万3754㎥も存在します。
ところが、八ッ場ダム完成により日量換算で3万7700㎥確保
するとのこと。

30年度から69年度の40年間で施設更新・長寿命化を行うための
長期計画が策定されましたが、資金需要は1853億円。
昨年度実施した受水企業への需要見込みアンケート調査では、
「大きな需要量の変動が明らかにならなかった」としていますが
29年度までに現状維持は112社中83社ですが、60~69年度では
現状維持が46社と大きく減少し、不明が65社との結果が出ています。
いま以上水需要が増加することはあり得ません。

7地区内の水道料金格差は3.4倍。
水利用の合理化を図り、無駄なダム開発を見直すためには
千葉4地区の事業統合も踏み込んで検討すべきです。
県はそれぞれの企業利益が背景にあるので難しいとの立場に
踏みとどまっています。

一方、八ッ場ダムに86.3億円、霞ケ浦導水に28.5億円の
合計115億円。
これに起債利息や毎年の管理負担金が数十年にわたり
県民負担となって将来世代に重くのしかかります。
税金のあるべき使い方に照らしても。このまま黙って
認めるわけにはいきません。

商工労働部、出納局の審議が終わったのが、夕方4時半前。
急いで帰り支度をし、池尻大橋へ。

八ッ場慰労会
八ッ場裁判報告出版記念&慰労会に参加

八ッ場慰労会2
会場は、「ラ・テール・メゾン」

栃木の大木弁護士のご長男が店長を務める素敵なレストランで
12年間の活動を振り返り、集いました。
特に八ッ場ダム問題の理論的支柱でもあり、活動を牽引してこられた
嶋津暉之さんへの感謝の気持ちを伝えることが一番の目的。
嶋津さんがいたからこそ、皆がここまで頑張ってこられたと思います。
何の見返りも求めない、ただ真実を追求してきたその姿に脱帽です。

八ッ場慰労会3
画面中央が、嶋津暉之さん。

八ッ場慰労会4
中央でマイクをにぎる高橋利明弁護団長
かつて多摩川水害訴訟を勝訴に導いた敏腕弁護士です。

左が八ッ場ダムの治水検証、基本高水問題で有識者会議や
裁判の証人として大活躍した関良基さん。

右は、東京新聞の篠ケ瀬祐司記者。
八ッ場ダム問題を「こちら特報部」で継続的に取り上げてくれました。

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左は、オンブズマン創始者の一人である大川隆司副弁護団長。
そして画面中央は、東京の会代表でもあり、
全体の原告団をリードしてくれた深澤洋子さん。

八ッ場裁判慰労会
12年間共に闘ってきた弁護団・原告団の皆さんと