平成24年2月定例議会 代表質問
目次
新年度予算
皆さん、こんにちは。佐倉市選出、市民ネット・社民・無所属の入江晶子でございます。
今議会で初めて代表質問の機会を与えていただきまして、先輩、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。もとより微力ではございますが、県民の福祉向上、県政の発展のために精進をしてまいります。どうぞ御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
早速ですが、通告に従い質問に入ります。
初めに、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。
1点目、新年度予算について。
今月7日、森田知事は当初予算案の記者会見で、事業費縮減を徹底的にした。及第点はいただけるのではないかと自己採点されましたが、「くらし満足度日本一」の達成は険しい道のりです。一般会計の総額は、東日本大震災の復興経費や社会保障費の支出が膨らみ、過去最大規模の1兆6,001億円。予算編成段階で生じた歳入不足を、財政調整基金や災害復興再生基金を取り崩し、さらに退職手当債を起こし当座を乗り切る予定ですが、今後の財源確保が大きな課題です。12年度末の県債残高は過去最高の2兆8,600億円に膨らむ見込みで、県民1人当たり46万7,000円の借金を背負うことになります。昨年、県の人口が初めて減少に転じました。長期計画では7年後に減少とされていましたが、震災や原発事故の影響は予想を超えるものがあります。人口減少、少子高齢化、低成長時代の閉塞感が漂う中、公共セクターの縮小化、社会保障の削減が進められています。これまでに増して、自治体には県民の生活と命を守る基本姿勢が求められています。予算編成についても、県民の税金が公正、公平に使われているか、情報がわかりやすく公開されているか、県民目線の検証が必要です。
そこで、新年度予算について3点伺います。
1点目、厳しい財政状況の中、予算編成過程の透明性、説明責任が県民から求められているが、どのように考えているか。今後、予算編成方針の県民への提示、編成過程における情報開示を求めるが、どうか。
市民ネット・社民・無所属の入江晶子議員の代表質問にお答えいたします。
まず、政治姿勢についてお答えいたします。
予算編成過程の透明性、説明責任、また予算編成方針の県民への提示、編成過程における情報開示に関する御質問でございますが、予算について、わかりやすい形で公表することは議会や県民の皆様に十分な理解をいただく上で重要なことと考えております。しかしながら、予算編成の途中段階における公表については、県としての意思形成過程の情報であり、県民に混乱を生じさせるおそれがあることから大変難しいと考えております。
県といたしましては、平成24年度当初予算においても、9月に予算編成方針、11月に要求段階の集計額を公表し、さらに2月には予算案の公表資料とともに、主要事業に関してより詳細な説明資料をお示しするなど、わかりやすい予算の公表に努めているところでございます。
2点目、東日本大震災、原発事故を経験し、これまで経済合理性優先で進められてきた社会のあり方が問われています。国頼み、国任せではなく、新たな政策課題について県が主体的に解決していく姿勢が必要です。昨年12月24日、国が閣議決定した24年度予算の基本方針においても、再生可能エネルギーの推進、新産業や雇用の創出、農林漁業の再生、6次産業化等が掲げられていますが、県はこれらの政策課題をどのように検討し、新年度予算に反映したのか。
国の24年度予算の基本方針においても、再生可能エネルギーの推進、新産業や雇用の創出、農林漁業の再生、6次産業化等を掲げられているが、県はこれらの政策課題をどのように新年度予算に反映したのかとの御質問でございます。
これらの事項については、総合計画「輝け!ちば元気プラン」の中で重点的に取り組むものと位置づけており、平成24年度当初予算においても関連予算を計上しております。例えば再生可能エネルギーの推進としては、新規事業として、千葉県新エネルギー等活用推進事業や千葉県新エネルギー導入促進総合検討調査事業、新産業や雇用の創出としては、緊急雇用創出事業や中小企業の新たな事業創出を支援する新事業・新産業創出支援事業、農林漁業の再生、6次産業化としては、ちばの6次産業化チャレンジ支援事業や新たに園芸産地改善に向けた取り組みを支援するちばの園芸産地活性化支援事業などの事業を計上したところでございます。
3点目、特に新エネルギー政策については再生可能エネルギーの促進、エネルギーの地産地消、分散化を地域発で推進していくことが必要と考えます。本県における新エネルギー対策の基本方針と今後の方向性をどのように考えているか。新年度予算に県の単独事業として新エネルギー関連事業が盛り込まれているが、今後どのように具体化していくのかお答えください。
新エネルギー対策の基本方針と今後の方向性をどのように考え、どのように具体化していくのかとの御質問でございます。
県では、エネルギーの分散確保、環境負荷の低減、地域経済の活性化を目的に新エネルギー活用推進プロジェクトチームを設置し、本県における今後の新エネルギー活用推進方針の検討を進めております。平成24年度においては、民間事業者から提案のあったプロジェクト等への支援や住宅用太陽光発電設備の設置補助の拡充を行うのに加え、本県のさまざまな政策課題における新エネルギーの活用可能性について調査を行うこととしております。県としては、引き続き国、地域や当事者の動向を踏まえつつ本県の特色を生かした取り組みを進めてまいります。
放射能対策
2番目は、放射能対策についてです。
福島原発事故から1年近く経過しましたが、いまだに事故原因の真相究明が不十分であり、この間も放射性物質は環境中を移動し続けています。国においても放射性物質にかかわる関連法の整備を検討中と聞いていますが、住民の命と健康を守るのは自治体の役割であるという観点から3点伺います。
1点目、放射能汚染が大気から河川、湖沼、海へと広がり、手賀沼に注ぐ大堀川や銚子沖で高濃度の放射性物質が検出されています。今後、数年から数十年以上にわたって時間差であらわれるホットスポットに対し、県はどのように対応していくのか。魚介類など食の安全性にもかかわる問題であり、国の法整備を待つだけではなく、庁内横断的な対応が必要と考えるが、どうか。
河川や海の放射能問題に対し、どのように対応していくのか。庁内横断的な対応を必要と考えるが、どうかとの御質問でございますが、今回の事故で飛散した放射性物質は水の流れにより、側溝などから河川、そして海へ移動することから、今後、河川や海の底に放射性物質が堆積していく可能性があります。そこで県といたしましては、河川や海の底質等に係る監視調査体制の強化を国に対し強く求めていくとともに、引き続き水産物のモニタリング調査を継続するなど、全庁を挙げて県民の安全・安心の確保に努めてまいります。
2点目、県内9市が国の放射性物質汚染対処特措法の重点調査地域に指定され、除染事業が進められています。福島県では県民健康管理調査が行われているが、本県も独自に健康影響調査を行うべきではないか。国は低線量内部被曝の知見がないことから、直ちに影響はないとのスタンスだが、中長期的観点からも県として疫学的データを集積するべきではないのかお答えください。
まず放射能対策について、本県も独自に健康影響調査を行い、疫学的データを集積する必要があるのではないかとの御質問にお答え申し上げます。
低線量の放射線を長期に受けた場合の健康への影響については、高度な専門性に基づき、長期的な視野に立って評価していくことが必要でございまして、国による方針の提示及び支援が不可欠であると考えております。現在、国は低線量被曝の健康影響調査について検討していると聞いており、県としましては、今後も国の動向や福島県の健康調査を注視してまいります。
3点目、昨年12月にいわき市議会が(仮称)原発事故被曝者援護法の制定を求める意見書を全会一致で可決し、国に特例法を制定し、被曝者健康手帳の交付、定期通院・医療行為の無償化、社会保障などを法的に保障するよう求めています。森田知事はこの動きについてどのようなスタンスなのかお答えください。
いわき市が提出した(仮称)原発事故被曝者援護法の制定を求める意見書に関する質問でございます。昨年12月、いわき市議会が国に対して(仮称)原発事故被曝者援護法の制定を求める意見書を提出したことは承知いたしております。本県としましても、低線量の放射線を長期に受けた場合の健康への影響については、長期的な視野に立った上で国による対応が不可欠であると考えており、今後とも国の動向を注視してまいります。
八ッ場ダムについて
3番目、八ッ場ダムについてです。
昨年12月24日、財務省は24年度予算案を発表し、八ッ場ダム本体工事18億円を含む事業費135億円が計上されました。その後、29日に野田首相は藤村官房長官裁定の2条件が八ッ場ダム本体工事予算の執行条件であると言明しました。その2条件とは、1、利根川水系河川整備計画の策定とその目標流量の検証、2、ダム中止後の生活再建支援法の次期通常国会への提出であり、これらの条件がクリアされるまでは本体工事の予算執行は凍結されることになりました。2つ目の生活再建支援法については、既に民主党から法案が出されているところです。
ここで問題なのは、1つ目の条件である河川整備計画の策定です。この計画は河川法に基づき、今後20年から30年間に行う河川整備の事業計画を定めるもので、洪水目標流量を設定し、それを達成するために必要な河川整備の内容を記載します。ダムが必要な場合はダム名が記載され、ダム計画の上位計画となります。97年の河川法改正で河川整備計画の策定が義務づけられましたが、利根川水系では、2006年にようやく国交省は計画策定作業に入ったものの、理由不明のまま2008年5月から中断しています。八ッ場ダムも上位計画がないままに毎年多額の税金が投入され、附帯工事が進められてきました。昨年11月、国交省は八ッ場ダムが有利との検証結果を示しましたが、治水面の検証で使われた河川整備計画の枠組みは、2006年の計画策定時に示されたものとは大きく異なっています。そのため、八ッ場ダムの治水効果が2.6倍に大きく引き上げられました。国交大臣が当初検証に当たって指示した基本方針はダムに頼らない治水でしたが、河川官僚によるダムありきのシナリオで進められた結果、八ッ場ダム中止から継続へと結論が変えられてしまいました。
そこで5点伺います。
国の検証では八ッ場ダムの治水効果が大きく引き上げられましたが、本県にとっての必要性についてどのように検証し、昨年の国の検証を了承したのか。本県にとっての八ッ場ダムの治水効果を具体的にお示しください。
県はどのように八ッ場ダムの必要性を検証し、国の検証結果を了承したのか。また、八ッ場ダムの治水効果はどうかとの御質問でございますが、今回の八ッ場ダムの検証は、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議により示された検証プロセスに基づき検証を行ったものであり、適正な検証作業が行われたことを同有識者会議が確認しております。この検証において、八ッ場ダムは遊水池などの代替案と比較して短期間でかつ大きな効果が得られる対策であることが客観的に確認されており、本県といたしましても、八ッ場ダムが優位な治水対策案であると認識しているところでございます。八ッ場ダムに係る国の試算では、利根川上流の八斗島地点において、最大毎秒1.820立方メートルの洪水調節効果があるとされ、流下能力が不足している利根川下流域に位置する本県にとって、八ッ場ダムの治水効果は大変大きいものと考えております。
2点目、200年に一度の洪水に対応するために八ッ場ダムを含めた治水対策が必要とされています。住民の命や財産を守るためには、ダムではなく、堤防補強を初めとする河川改修等、実現可能な治水対策を優先的に進めるべきと考えますが、現在の利根川の治水安全度はどの程度か。また、本県が利根川水系の治水対策で負担してきたダム費と河川改修費はこの数十年間でどのように推移しているのかお答えください。
私からは八ッ場ダムについて、知事答弁以外の2問についてお答え申し上げます。
利根川の治水安全度はどの程度か。また、本県が利根川の治水対策で負担してきたダム費と河川改修費はこの数十年間でどのように推移してきたのかとの御質問でございます。河川管理者である国によれば、本県が接する利根川下流部における現況の治水安全度は、おおむね10年から20年に一度の確率で発生すると予想される洪水を安全に流下させることができるとされています。また、直近10年間における治水直轄事業負担金の内訳は、河川改修などに14億円から60億円、ダム事業などに16億円から46億円で推移しています。
3点目、国交省の検証では工期延長と事業費増額が示されており、今後、国から基本計画変更の照会が来る見通しです。2004年に国から計画変更時、本県は関係都県とともに、2015年度完成の工期厳守、事業費のさらなる増額は認めないとの附帯意見をつけて国の計画変更を受け入れました。知事は今後、八ッ場ダムの基本計画変更にどのように対応するのか。
今後、八ッ場ダムの基本計画変更があった場合、県はどのように対応するのかとの御質問でございますが、国の検証で示された総事業費等の点検結果については予断を持たずに検証を進める観点から、できるだけ多くの要素を取り入れ、工期や事業費等の検討が行われたものであります。国から、検証において算定した経費は、総事業費等が記載されている基本計画の変更に直結するものではないと聞いているところであります。
4点目、県内には県の環境保全条例で地下水のくみ上げを規制されている地域があります。八ッ場ダム等の新規水源開発の完成によって、暫定的に地下水のくみ上げを許可されている暫定井戸はどのくらい廃止されるのか。また、地下水から河川水への転換による水道料金の値上げなど住民生活に大きく影響するが、知事はどのように考えているのか。
5点目、県内の水道使用量の最新実績値は21年度で208万立方メートルでしたが、県の長期水需要予測では、八ッ場ダムからの12万立方メートルの水確保を含めて32年度に238万立方メートル必要となっています。ところが、保有水源は252万立方メートルあるので、現時点でも44万立法メートル、17%の余裕があります。人口減少もさらに進み、水余りは明らかです。必要性を失った八ッ場ダムから撤退し、暫定水利権の継続的利用、水利権の転用を初め国に水利権制度の合理化、民主化を求めることこそ水の安定確保につながると考えるが、どうか、お答えください。
八ッ場ダムから撤退し、暫定水利権の継続的利用や水利権の転用など、国に水利権制度の合理化等を求めることが水の安定確保につながると考えるが、どうかとの御質問でございます。水利権の許可は、河川の流水の正常な機能を維持し、将来にわたり安定的な取水が図れるよう厳格に行われているものと認識しております。また、暫定水利権はダム等への参画など、将来の安定水源の確保が確実で、緊急に取水する必要がある場合に限り許可をされております。こうした水利権制度を見直すことは、長年にわたり関係者の努力により構築されてきた水利権の秩序や互譲の精神により保たれてきた協力関係に重大な支障を来すものと考えております。
医療問題
2項目めは、医療問題についてお伺いいたします。
昨年から年明けにかけて会派で県内6つの県立病院を視察してまいりました。どの医療現場も多忙なところ、院長先生や医療スタッフ、事務局の方々から熱心に御教示いただき、大変お世話になりました。この場をおかりして改めてお礼申し上げます。
ほとんどの施設が老朽化し、さきの大震災で壁に亀裂が入ったり、建物が傾いているところも多くあり、耐震化もままならない環境の中、ドクター、看護師など医療スタッフの方々が自治体病院の使命感を持って診療に当たられている姿が大変印象的でした。
特に心に残った言葉を御紹介いたします。私たちは目の前の患者さんだけを診ているのではない。自治体病院の役割は患者の帰宅後の生活をサポートすることに加え、地域の医療ニーズを把握し、5年、10年先の医療課題を見据え、予防保健にも力を入れていくことにある。地域医療連携はコンピューターでネットワークをつくっただけでは機能しない。人と人とのやりとり、顔の見えるヒューマンネットワークをいかにつくるかが重要である。地域医療の本質を語る言葉だったと思います。
千葉県の医師、看護師数は全国45位と46位、最下位です。人材確保が喫緊の課題ですが、若い人を育てる、新たな人を探すことと同時に、厳しい自治体病院の現場に踏みとどまって頑張っておられる医療関係者の思いにこたえ、必要な環境整備に早急に取り組むことが県の役割であると実感しました。本県は急スピードで高齢化し、30年後には高齢者人口が200万人と言われています。安心な地域医療を確立するためには行政や医療関係者にお任せではなく、適切な情報を県民に提供し、県民参加で医療問題を考えていくことが必要です。
そこで第1点目として、県立病院の施設整備の見通しについてお伺いします。
県民の命と健康を守る県立病院の施設の耐震化、改修は最優先課題だが、今後の計画と財源見通しはどのようになっているのか。特に佐原病院、東金病院、救急医療センターと精神科医療センターの一体的整備、がんセンターについて、具体的なスケジュールはどのようになっているのかお答えください。
次に、医療問題についてお答えいたします。
県立病院の耐震化、改修について、今後の計画と財源見通し、具体的なスケジュールはどうかとの御質問でございます。県立病院では、がんセンターや救急医療センター、佐原病院などの老朽化、狭隘化や耐震化への対応に向けた施設整備が大きな課題となっております。来年度は、がんセンターについては新病棟の整備等を内容とする施設整備に向けた基本計画を策定し、救急医療センターと精神科医療センターについては一体的な整備に向けた建設候補地の災害対策調査を実施する予定であり、また、佐原病院及び東金病院についても耐震化等の対応について必要な調査、検討を進めることとしております。その後、これらの調査結果等をもとに、県立病院の施設整備全体に係る具体的なスケジュールや財源計画を策定し、県民に対し、より安全で良質な医療を提供するため、計画的に施設整備を進めてまいります。
次に、山武長生夷隅保健医療圏における地域医療の方向性についてお伺いします。
県は千葉県地域医療再生プログラムを策定し、国の地域医療再生臨時特例交付金50億円を活用し、21年度から25年度までに2つの2次保健医療圏、香取海匝と山武長生夷隅で事業を展開します。山武長生夷隅保健医療圏については救命救急センターがなく、2次救急体制が不十分なため、患者の搬送時間が長時間化していることから救急医療体制の充実強化を第一目的とし、25億円が投じられます。 そこで、不足している救命救急センターを併設する東金九十九里地域医療センター開設に向けて具体的に進められています。26年4月、当地域医療センターの開設に伴い、これまでこの地域の基幹病院として役割を果たしてきた県立東金病院の閉院が25年度末に予定されています。さまざまな課題のある中で地域住民は、東金病院の後医療はどうなるのか、新しいセンターは地域の医療ニーズにこたえてくれるのか、不安と期待が入りまじった中で状況の推移を見守っています。県内は9つの医療圏に分かれていますが、紙に書いた計画どおりにそれぞれの医療圏で医療が完結することはありません。1つの医療圏の地域医療が破綻すれば隣の医療圏に波及し、やがてはドミノ倒しのように、県内すべての医療問題へと発展していくことは言うまでもありません。山武長生夷隅の地域医療の問題は千葉県民全体の問題であるという立場で質問をさせていただきます。
初めに、東金病院閉院の経緯と引き継ぎ問題についてです。
東金九十九里地域医療センター開設に伴い、東金病院が25年度末閉院予定となっています。東金病院は、10名の内科医が一時3人になるなど医師不足に苦しみましたが、地域で医師を育てる研修システムや地域医療を支える総合内科医養成のプログラムを展開し、医師の定着を図りました。昨年からは外科の休診、稼働病床も60床に縮小と厳しい状況ですが、地域の診療所、薬剤師や住民との協働で地域医療連携パスの先駆けとも言える糖尿病治療のためのわかしお医療ネットワークの構築など、再建に向けて努力してきました。
そこで2点お伺いします。
1点目、県は東金病院のこれまでの取り組みをどのように評価しているのか。また、閉院に至る経緯が明らかにされていないが、どのような議論を経て閉院が決定されたのかお答えください。
医療問題について、東金病院のこれまでの取り組みを県はどのように評価しているのかとの御質問でございますが、県立東金病院において運用されております地域の糖尿病患者の情報共有化のシステムは、糖尿病の患者がふだんは近隣の診療所に通い、定期的に専門医療機関を受診することで地域の医療機関の役割分担を明確化し、地域全体で患者を支える循環型の地域医療連携を基本にしているものと認識しております。平成20年に改正した千葉県保健医療計画の糖尿病循環型地域医療連携システムは、この基本的な考え方に基づき構築されており、現在、循環型地域医療連携システムにより円滑な地域医療連携が図られるよう推進しております。
閉院に至る経緯についての御質問がございました。山武地域における医療提供体制については、平成15年度から県、地域の市町村長や医療関係者等の間で検討が行われ、県立東金病院の医療機能を地元市町村が運営する新病院に引き継ぐという基本的な考え方が合意されました。県では、この合意を踏まえまして、新病院建設に対する財政支援を含む包括的な支援を行うこととし、県議会の場においても、その支援のあり方について議論がされてきたところでございます。また、千葉県保健医療計画においても、県立東金病院の医療機能を引き継ぐ病院として東金九十九里地域医療センターを位置づけております。
2点目、ことし4月からスタートする第3次千葉県病院局中期経営計画案では、東金病院の機能引き継ぎを円滑に行うと示されているが、具体的にどのように行っていくのかお伺いします。
東金病院の機能引き継ぎを円滑に行うとは、具体的にどのように行っていくのかとの御質問です。東金病院の医療機能の引き継ぎについては、地域の医療提供体制に支障を来さないよう、東金市、九十九里町、千葉大学などの関係機関と連携し検討していく必要があると考えており、現在、具体的な進め方について、東金九十九里地域医療センターと協議しているところでございます。
次に、東金九十九里地域医療センターの課題について6点お伺いします。
1点目、当センターの定款第1条では、救急・急性期医療を軸にした医療機関とあります。3次救急医療を担う救命救急センターを併設し、314床の計画で進められているが、具体的にどのような機能を担うのか。
東金九十九里地域医療センターは具体的にどのような機能を担うのかとの御質問でございます。東金市と九十九里町で策定した同センターの事業計画では、当該2次保健医療圏において圏域外への緊急搬送が多いことを踏まえ、脳卒中、急性心筋梗塞などの救急医療、急性期医療を核とした医療機能を確保するとしております。
2点目、救命救急センターがないため救急患者の管外搬送率が高いことがセンター設置の大きな理由とされているが、年間に救急搬送される重症患者の件数はどのくらいなのか。救急以外の地域の医療ニーズをどのように検証しているのか。
山武長生夷隅保健医療圏において年間に救急搬送される重症患者の件数はどのくらいなのか。また、救急以外の地域の医療ニーズはとの御質問でございます。平成22年の山武長生夷隅保健医療圏の救急患者搬送人数は1万8,953人で、そのうち重症患者数は2,227人となっております。また、平成22年の千葉県医療実態調査の結果では、患者が他の圏域の病院に入院している割合は、山武長生夷隅保健医療圏においては40.7%と県内で最も高いことから、救急以外の地域の医療ニーズもあるものと判断しています。
3点目、センター開設後の収支見通しはどのようになっているのか。救命救急センターの収支不足が年間1億円生じると見込まれており、その財政負担を周辺市町村に要請しているが、どのような見通しなのか。
東金九十九里地域医療センターの収支見通しはどうか。また、救命救急センターの財政負担を周辺市町村に要請しているが、どうかとの御質問でございます。東金市と九十九里町が策定した同センターの収支計画では、開院当初は厳しい状況となっていますが、平成28年度には病床がすべて稼働することから、おおむね単年度の経常収支が均衡し、平成29年度からは単年度黒字となる計画となっております。また、東金市及び九十九里町では、県とともに、このセンターの救命救急センター部門が赤字となった場合に対する周辺市町村への財政支援の基本的な考え方についての説明を行ったところでございまして、今後とも協議、調整していくことといたしております。
4点目、周辺市町村や医療関係者との協議がないままに当センターを開設する状況にあるが、地域の医療機関にどのような影響があると考えているのか。
東金九十九里地域医療センターの整備に伴う地域医療機関への影響についての御質問でございますが、同センターは救急医療、急性期医療を核とした地域の中核病院としての役割を担うことから、同センターの開院により、地域の医療提供体制の充実が図れることとなります。同センターが地域の中核病院としての役割を果たすためには、地域における病院や診療所等の役割分担と適切な連携が望まれることから、今後、地域の医療関係者と十分な協議をすることが重要と考えております。
5点目、医師、看護師、その他医療スタッフの人材確保の現状と見通しはどのようになっているのか。
東金九十九里地域医療センターの課題についての人材確保の現状と見通しはどうかとの御質問でございます。このセンターの医師につきましては、千葉大学の全面的な支援により、センターに地域臨床教育センターを併設し、同大学が派遣した医師が臨床教育と診療に当たる新たな枠組みにより確保することとしており、現在、千葉大学において医師の確保が行われております。看護師につきましては、県内の厳しい看護師不足の状況を踏まえまして、既に県内のみならず、全国へ募集活動を行っており、来年度採用予定の看護師については確保が見込まれていると聞いております。その他の医療スタッフについては、来年度の採用予定はございませんが、開院に向けての準備は進んでいると聞いております。
6点目、県は新年度予算に計上した2億8,787万円を含めて総額85億6,000万円の補助金を今後支出する方針だが、その支出根拠は何か。また、何に対する支援なのか。医師・看護師確保の前提が崩れ、病棟閉鎖や想定外の赤字経営となった場合、県はどのような責任を果たすつもりなのか。
県は補助金を支出する方針だが、その支出根拠は何か。また、何に対する支援なのかとの御質問です。同センターは、県立東金病院の医療機能を引き継ぐ公的な地域の中核病院として整備が進められており、3次救急医療を担う救命救急センターも併設されることから財政支援を行うものでございます。また、総額85億6,000万円の財政支援は施設整備に要する経費として行います。
県はどのような責任を果たすつもりなのかとの御質問です。同センターの運営については、運営主体でございます地方独立行政法人や設立主体となる両市町が責任を持って行うものと考えております。県としましては、同センターが自立した運営が可能となるよう、施設整備に要する経費について、開設時及び開設後10年間にわたり総額85億6,000万円の財政支援を行うなど、包括的な支援を行うことといたしております。
第3次DV防止・被害者支援基本計画策定について
3項目めは、第3次DV防止・被害者支援基本計画策定についてです。
配偶者からの暴力、ドメスティック・バイオレンスは、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり、男女の社会的地位や経済力の格差、固定的な役割分担意識などの社会的、構造的な問題が背景となり、多くの場合、女性が被害者となっています。2001年4月にDV防止法が制定され、社会的な認知度は高まっていますが、ここ数年の本県における相談件数や一時保護件数は横ばい状況です。県の女性サポートセンターにおけるDV相談は年間二千数百件、その他、市町村の窓口に寄せられる件数も4,000件程度あり、一時保護件数も100件を超えています。一時保護所の入居者の8割が20代から30代、また、半数以上が子供連れで1カ月から2カ月間程度生活しています。乳幼児や小学生がほとんどですが、中学生の女の子を連れて避難するケースもあります。しかし、学校には通えないため、ドリル学習を保育士がサポートしています。子供たちの学習権の保障も大きな課題です。入所者の2割以上はうつ状態で、親も子供もまず何よりも精神的ケアが必要であり、退所後の生活再建に向けた住宅確保、就労支援等の切れ目のない支援が必要です。本県では基本計画以前から他県に先駆けてDVの実態調査を行い、被害当事者の視点に立って課題解決に向けた取り組みを進めてきました。2006年からの第1次計画、2009年からの2次計画には、日本国憲法に規定されている個人の尊厳と法のもとの平等、暴力を許さない社会の実現が基本理念として貫かれています。この基本理念をもとに、次期計画のさらなる充実が求められています。
それでは、計画策定に当たって6点お伺いします。
1点目、重点施策として、啓発の充実、若者を対象とした予防教育、市町村との連携の3点が挙げられているが、まず何よりも被害者支援の充実が第一義だと考えます。計画策定に当たって、DV被害者、民間支援団体や市町村、基本計画管理委員会メンバー等からどのような意見や修正要望が出されているのか。
次に、第3次DV防止・被害者支援基本計画策定についてお答え申し上げます。
計画の策定に当たって、民間支援団体や計画策定のための管理委員会などからどのような意見が出されているのかとの御質問です。第3次計画の策定に当たりましては、千葉県DV防止・被害者支援基本計画管理委員会を初めDVの被害者、民間支援団体、市町村等から御意見をいただきました。その主なものは、切れ目のない支援体制の充実や自立支援を強化すること、一時保護所において教員を確保すること、市町村配偶者暴力相談支援センターの設置を促進することなどがございました。今後はこれらの意見やパブリックコメントを参考にしながら、3月中を目途に計画を策定してまいります。
2点目、パブリックコメントの公表や応答方法をどのように考えているのか。
パブリックコメントの公表や応答方法についての御質問です。第3次計画については、昨年12月1日から12月28日までパブリックコメントを募集し、13名の方々から延べ88件の御意見をいただいたところです。これらの御意見につきましては、策定に当たり、いただきました御意見とともに、最終案策定に当たって参考とさせていただきます。なお、パブリックコメントの御意見及び県の考え方については、第3次計画の決定に合わせて公表する予定でございます。
3点目、計画期間がこれまでの3年から5年に延長されていますが、ほとんどの施策について数値目標がありません。目標達成に向けて計画の実効性を高め、事業の進捗管理を適切に行っていくためにも数値目標は必要と考えるが、どうか。
目標達成に向けて計画の実効性を高め、事業の進捗管理を適切に行っていくためにも数値目標は必要と考えるが、どうかとの御質問です。第3次計画では、これまでの取り組みで明らかになった課題を克服するため重点的取り組みを新設し、取り組みごとに数値目標を定めることといたしました。その主なものとしましては、DVが人権侵害であると認識する人の割合、DV予防セミナーの開催数、市町村基本計画策定数などを定めまして計画の実効性を高めてまいります。
4点目、本来、人権教育としてとらえるべきDV予防教育に突然、道徳教育が位置づけられたのはなぜか。教育委員会として今後どのように取り組むのか。
最初に、第3次DV防止・被害者支援基本計画策定についての御質問のうち、DV予防教育に道徳教育が位置づけられたのはなぜか。また、今後どのように取り組んでいくのかとの御質問にお答えいたします。
ドメスティック・バイオレンスを予防するためには、人権尊重の理念について正しく理解し、男女が互いの人格を尊重する態度を育てることが重要であり、その基盤として、よりよく生きる道徳性の涵養が求められると考えます。県教育委員会といたしましては、人格の尊重や他者への思いやりについて深く考えさせる道徳教育を推進することにより、若い世代がドメスティック・バイオレンスの被害者にも加害者にもならないよう、人権侵害の発生を防ぐ環境づくりに努めてまいります。
5点目、一時保護所においては、被害者や同伴児の精神的ケア、子供の学習環境の整備、就労や生活再建に向けた支援策の充実が求められています。第3次計画で新たに充実策を盛り込むべきと考えるが、どうか。
次に、第3次DV防止・被害者支援基本計画策定についてお答えいたします。
一時保護所における被害者や同伴児の精神的ケア、子供の学習環境の整備、就労や生活再建に向けた新たな充実策についての御質問でございますが、女性サポートセンターでは、身体的、精神的にさまざまな問題を抱えている入所者や同伴児に対しカウンセリングや医師による健康相談などを行うとともに、生活再建に向け、住宅や就労、福祉制度などの情報を提供しています。第3次計画ではこれに加え、新たに被害者の心の回復を図るためのグループカウンセリングの実施、生活の安定に向けた支援講座の開催、学齢児童に対し学習指導を行う専門職員の配置を盛り込むこととしました。
6点目、DV被害者に対する切れ目のない支援体制の充実に向けて、県がリーダーシップを発揮し、市町村や児童相談所等の関係機関や民間支援団体との連携を強めていくことが重要だが、第3次計画においてどのような前進を考えているのかお答えください。
被害者に対する支援体制の充実に向けて、市町村や民間支援団体との連携を強めていくことが重要と考えるが、どうかとの御質問でございます。
県では、家庭等における暴力対策ネットワーク会議やDV被害者支援活動団体連絡会議等を通じて、関係機関や民間支援団体と連携を図りながら被害者支援を推進してまいりました。DV被害者の生活再建には、生活保護や各種手当の申請、地域での継続した見守りなど市町村の支援が不可欠であることから、第3次計画では市町村と連携、強化に重点的に取り組むこととしています。具体的には、市町村における基本計画の策定や配偶者暴力相談支援センターの設置を促進するとともに、地域の実情に合わせた関係機関から成る検討会を開催するなど、サポート体制を強化してまいります。
合併浄化槽の設置促進について
4項目めは、合併浄化槽の設置促進についてです。
生活排水を適正に処理し、快適な生活環境や川や湖沼などの水環境を改善するために下水道や農業集落排水等の施設整備が進められ、千葉県では83%の進捗率です。本県では22年度に全県域汚水処理適正処理構想の見直しがなされ、汚水処理施設整備率100%を最終目標とし、中間目標年次が36年とされました。整備内容は、印旛沼、手賀沼、江戸川左岸の3流域下水道で約6割、単独公共下水道で約3割を合わせた9割を下水道整備し、合併浄化槽による整備はわずか6.5%です。全国の自治体がこれまで下水道や集落排水施設を中心とした面的整備を行ってきましたが、このまま見直しがなければ、将来的に下水道事業は自治体財政のアキレス腱となる危険性が指摘されています。下水道事業は10年から30年先の人口予測値から汚水量などを推計し、最下流部から上流に向かって施設整備を進めることから初期投資に莫大な費用がかかり、補助金はあるものの、多額の地方債を発行しなければなりません。建設時の借金を20年以上にわたり返済していくシステムとなっており、人口増、経済拡大を前提としています。しかし、その前提が崩れれば下水道事業は立ち行かなくなります。また、施設の老朽化に伴う改修・更新費用が膨らみ、使用料の値上げ、一般会計からの赤字繰り入れの増額も求められます。その一方、近年、合併浄化槽のメリットが注目され、環境省も積極的に促進しています。主な特徴として、下水道並みの処理能力がある、建設・維持管理コストが下水道の6分の1程度で安い、建設期間が短く投資効果に即効性がある、地震等の災害に強いなどが挙げられます。そこで、人口減少、低成長という時代の変化に即した汚水処理政策への転換、合併浄化槽の設置促進を求めるものです。
初めに、県内の下水道事業の現状と課題について2点伺います。
1点目、印旛沼、手賀沼、江戸川左岸の3つの流域下水道事業の全体計画や総事業費はどのようになっているのか。事業の進捗状況及び今後の課題と事業費の見通しはどのようになっているのかお答えください。
次に、合併処理浄化槽のうち、3つの流域下水道事業の全体計画、事業の進捗状況についての御質問でございます。
3流域下水道事業の全体計画については、計画処理区域が約6万ヘクタール、処理人口が約338万人、総事業費が1兆円となっております。また、平成22年度末の事業の進捗状況は、整備済み処理区域が約3万4,000ヘクタール、処理人口が約284万人、事業費の累計が約8,000億円となっております。今後については、未整備となっている処理区域の整備促進や江戸川第一終末処理場の整備が急務となっており、引き続き事業費の縮減を図りながら事業の推進を図ってまいります。
県内各市町村の下水道事業会計について、収支不足で一般会計から法定外の繰り出しをしている自治体はどの程度あるのか。また、起債残高が8,153億円と多額になっている中で今後の経営見通しはどのようになっていくと考えるのかお答えください。
下水道事業会計について、一般会計から法定外の繰り出しをしている自治体はどの程度あるか。また、今後の経営見通しはどうかとの御質問でございますが、県内では32団体が公共下水道事業を行っておりますが、このうち27団体が平成22年度決算において、国の繰り出し基準により一般会計が負担すべきとされた経費以外の経費について基準外の繰り出しを行っております。これは、施設整備の初期投資や更新に伴う費用が多額に上り収支不足が生ずることによるものと考えられ、こうした基準外の繰り出しは今後も続くものと見込まれます。
以上です。
次に、合併浄化槽の設置促進について6点伺います。
1点目、2000年の法改正で単独処理浄化槽の新設が禁止され、翌年度から新設はすべて合併処理浄化槽となったが、本県における単独から合併への転換率、設置状況はどのようになっているのか。また、単独浄化槽がどのくらい残っているのかお示しください。
合併処理浄化槽の御質問のうち、本県における単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換率や設置状況はどのようになっているのかとの御質問にお答え申し上げます。
本県の浄化槽設置基数については、改正浄化槽法が施行される前の平成12年度と直近の22年度を比較いたしますと、単独処理浄化槽が45万基から41万基に減少し、合併処理浄化槽が11万基から20万基に増加しております。単独処理浄化槽は、合併処理浄化槽への転換や下水道への接続などにより減少し、全体に占める合併処理浄化槽の割合は19%から33%に増加いたしております。
2点目、合併浄化槽設置促進のために、県はこれまでどのように取り組んできたか。
合併処理浄化槽設置促進のため、県はどのように取り組んできたのかとの御質問です。県では、生活排水による公共用水域の水質汚濁防止を図るため、昭和62年度から市町村が実施する合併処理浄化槽の設置補助事業に対する補助を開始し、平成22年度までに7万7,000基の合併処理浄化槽について、139億円を市町村に補助したところでございます。
3点目、合併浄化槽への転換が進まない大きな理由は設置者の費用負担が大きいことが挙げられるが、この10年間で県の補助負担金の対象が5,000基から1,800基まで減り、補助金が6億9,000万円から3億円にまで縮小しているのはなぜか。
合併処理浄化槽について、この10年間で県費の設置補助の対象が1,800基まで減り、補助金が3億円にまで縮小しているのはどうしてかとの御質問です。
浄化槽法の改正に伴いまして、合併処理浄化槽の設置が義務づけられたことから、浄化槽を新規に設置する場合には窒素や燐の除去性能を有する高度処理型の浄化槽に補助対象を限定するなど、補助制度を見直したことによるものでございます。現在では単独処理浄化槽やくみ取り便所を合併処理浄化槽に転換すること、それから、閉鎖性水域の流域において高度処理型の浄化槽の設置を促進することに重点を置いた制度として、水質改善効果の高い事業の実施に努めているところでございます。
4点目、個人負担の少ない市町村設置型事業が合併浄化槽普及促進に有効ですが、県内の市町村で導入しているのは睦沢町と長柄町だけです。県がこの制度を活用するように積極的に市町村に働きかけていただきたいが、今後どのような課題があるのか。
次に、合併処理浄化槽の設置促進についてお答えいたします。
市町村設置型事業の制度について、市町村に活用を積極的に働きかけていくべきと思うが、どうか。また、課題は何かとの御質問でございます。市町村設置型事業は、市町村が主体となり、一定の区域に合併処理浄化槽を設置し、その維持管理を実施するものでございます。本事業は、設置時に住民の費用負担が軽減されること、市町村が主体となり適正な維持管理が行われることなどの利点があり、平成23年度から新たに県の補助制度の対象としたところでございます。一方、市町村の費用負担や事務量の増加などの課題もあることから、他県での取り組み事例を収集し、市町村へ情報提供してまいります。
5点目、今月9日付で印旛沼環境団体連合会から森田知事あてに要望書が出ています。「印旛沼流域における高度処理型浄化槽の設置促進について」という内容です。印旛沼の水質汚濁の大きな要因である窒素や燐などによる富栄養化を低減し、水質浄化を図るために窒素、燐の除去処理も可能な高度処理型合併浄化槽とするよう条例で規制すること、個人負担の軽減を図るための助成強化、維持管理の助成措置の整備を求める内容となっています。県はこの要望書についてどのように考えているのかお示しください。
印旛沼環境団体連合会から提出された印旛沼流域における高度処理型浄化槽の設置に関する要望書についてどのように考えていくのかとの御質問でございます。
この要望書は、印旛沼の水質を改善するため、条例による高度処理型浄化槽の設置の事務化や個人負担軽減のための助成措置の充実を図る趣旨で、本年2月9日に県に提出されたものでございます。県では、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換や高度処理型浄化槽の設置に重点を置いた補助事業を推進しており、引き続き印旛沼の水質改善に努めてまいります。
失礼しました。先ほど八ッ場ダムに係る国の試算で、最大毎秒1.820立方メートルと申し上げましたが、正しくは1,820立方メートルでございました。訂正しておわびいたします。
私からは以上でございます。他の問題につきましては副知事及び担当部局長からお答えをいたします。
6点目、合併浄化槽の維持管理を適正に行うために法定検査が義務づけられています。21年度の本県の受検率は、浄化槽使用開始後の7条検査が57.2%で全国ワースト1位、毎年1回の定期検査11条検査が5.9%で全国ワースト5位でした。県は受検率が低い理由をどのように分析し、対応していくのかお答えください。
本県における浄化槽の法定検査の受検率が低い理由をどのように分析し、対応していくのかとの御質問でございます。
浄化槽の使用者は、保守点検や清掃とは別に浄化槽法に基づく法定検査として、使用開始後及び毎年1回の水質検査を受検することが義務づけられております。本県における法定検査の受検率は全国平均を下回っており、浄化槽の使用者の理解が十分得られていない状況であると考えております。
これまで県では受検率の向上を図るため、法定検査の受検契約書の提出などを浄化槽の補助金の交付要件とすること、法定検査の重要性について理解を得るため啓発用パンフレットを配布するほか、使用者を対象とした講習会を開催することなどの取り組みを進めてきました。
今後とも啓発や未受検者に対する指導により一層取り組むとともに、保守点検業者などで構成する関係団体と連携しまして法定検査の周知を図り、受検率の向上に努めてまいります。
エコテック産廃処分場問題について
5項目め、エコテック産廃処分場問題について質問いたします。
今から14年前の1998年、旧海上町、銚子、東庄の1市2町の境界線上に伸葉都市開発、現エコテックの最終処分場計画が浮上しました。予定地周辺は干潟八万石に続く豊かな農耕地帯と銚子市の水道予備水源である忍川の源流に当たります。地下水に頼る集落、農地の真ん中にダイオキシン等が含まれる焼却灰、工場排水処理後の汚泥など74万トンの産廃が運び込まれることに危機感を抱いた1市2町は議会決議と世論を受けて拒否を宣言し、首長や議会も厚労省、知事や県議会に反対の陳情を繰り返し、不法投棄に苦しむこの地域の環境保全を訴えました。同じ年8月30日には海上町で住民投票が実施され、設置反対の票が97%を超え、銚子、東庄町でも署名運動が続けられました。99年4月16日には県有地売却阻止を求める監査請求が県監査委員会に提出され、4月27日、県はエコテック処分場設置の不許可処分を決定しました。しかし、これを不服としたエコテックが厚生大臣に行政不服審査請求を申し立て、2000年3月31日、厚労省は業者の申し立てを認めてしまいました。さらに翌年の2001年3月1日、沼田知事は千葉県監査委員会の意見の一致を見ずとの結論を振り切り、住民の反対を押し切ってエコテック処分場計画を許可、同時に県有地を業者に払い下げてしまいました。住民らは設置許可取り消しを求めて裁判を起こし、一昨年、2010年9月9日に最高裁は県知事側の上告を受理しないことを決定し、その結果、設置許可を取り消した1審、2審判決が確定いたしました。住民の方々の長い御苦労が報われた瞬間でした。 ところが、その後、千葉県は、最高裁が許可取り消しを命じたにもかかわらず、最高裁は許可そのものを取り消したのではなく、手続に瑕疵があったとして許可を取り消したので許可申請書の効力は生きている。不足する資料を補正で追加提出すれば問題ないとし、エコテックに関係資料の提出を求め、許可申請の審査を続行しています。エコテックが許可申請を出したのは14年前の1998年6月であり、この間、関連法令も改正され、環境影響調査も義務づけられています。県は最高裁判決に従って速やかに許可申請を取り消し、事業者に改めて事前協議からやり直しをするよう指導すべきです。
そこで5点伺います。
1点目、2010年9月9日の最高裁判決で産廃処分場設置許可が取り消しされたにもかかわらず、14年前の許可申請書の効力が生きていると判断し、事業者に必要書類を追加して出させるよう指示した根拠は何か。設置許可を取り消した最高裁の考えはどうなのか、確認したのかお答えください。
次に、エコテック産廃処分場問題についてお答えします。
最高裁判決で産廃処分場設置許可が取り消されたにもかかわらず、事業者に必要書類を追加して出させるよう指示した根拠は何かとの御質問でございます。行政庁の処分に対する判決の効力については行政事件訴訟法に定められておりまして、手続に違法があることを理由に処分が取り消された場合には、処分庁は判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分を行わなければならないと規定されております。当該判決は、手続に違法があること。具体的には生活環境影響調査書を提出させることや、市町村、有識者からの意見聴取を行うこと等の手続を行っていなかったという理由で、県の設置許可処分の取り消しとなったものでございます。このことから判決の趣旨に従いまして、改めてこれらの手続を経た申請に対し処分を行うということにしております。
2点目、県は2011年2月21日にエコテックに対し、申請手続に必要な資料に不足があるとし、不足分を3月22日締め切りで提出するように通知で求めました。その後、業者の求めるまま、7月15日まで期限の延長を認めています。不足していた経理的基礎に関する書面、欠格要件非該当確認のための資料、施設構造見直しの計画書はすべて提出されているのかお答えください。
経理的基礎に関する書面、欠格要件非該当確認のための資料、施設構造見直しの計画書はすべて提出されているのかとの御質問でございます。当該産業廃棄物最終処分場の設置許可申請については審査中であり、現時点ですべての書面が整っている状況にはございません。
3点目、97年の廃棄物処理法改正で許可申請時にミニアセスメント実施が義務づけられました。県は事業者に環境影響調査の実施と報告書の提出を指示しているが、今後の手続の内容とスケジュールはどのようになっているのか。
県は事業者に環境影響調査の実施と報告書の提出を指示しているが、今後の手続の内容とスケジュールはどのようになっているのかとの御質問でございます。現在提出を求めている生活環境影響調査書等の書類が提出された後、申請書類とあわせ、告示、縦覧、専門委員会の委員に意見を聞くなどの手続を行うこととなります。
4点目、廃棄物処理法14条5項、許可基準では、許可をしない要件の1つとして「暴力団員等がその事業活動を支配する者」との規定があります。エコテックについては、21年に確定した民事裁判の記録の中で暴力団の資金関与が明らかになっているのは、さきの12月議会で山本友子が指摘しました。山本議員の一般質問に対し、県として調査するとの答弁があったが、これまでどのような調査を行い、どのようなことがわかったのかお答えください。
平成21年に確定した民事裁判の記録の中で暴力団の資金関与が明確になっているが、これまでどのような調査を行い、どのようなことがわかったのかとの御質問です。当該民事裁判の訴訟記録については千葉地方裁判所に請求しましたが、写しが交付されないことから、職員が千葉地方裁判所において当該記録を閲覧し、内容の分析をいたしているところでございます。
5点目、昨年12月13日、旭市議会の最終日に、株式会社エコテック産業廃棄物最終処分場設置反対に関する意見書が全会一致で採択され、森田知事あてに送付されてきましたが、その後、担当課で1カ月以上、その意見書が放置されていたことが判明いたしました。旭市の意見書では、20数年間にわたる町民の反対運動を振り返り、これまでの県行政に対して非常に不信感を抱いていることが述べられており、最高裁判所の判決を誠実に履行することを強く要望すると結ばれています。県は旭市議会の総意、地元住民の民意をどのように受けとめているのかお答えください。
昨年12月に旭市議会において意見書が採択されたが、地元住民の民意をどのように受けとめているのかとの御質問でございますが、旭市議会から提出された意見書につきましては、県として誠実に受けとめております。
柏廃材処理センターについて
柏廃材処理センターについて
次に、柏廃材処理センターについてお答え申し上げます。
まず、当該施設開設後の事故発生件数、通報件数はどのようになっているのか。それに対して、県はどのような行政指導を行い、具体的に何が改善されたのかとの御質問です。当該事業場で平成19年の施設稼働後、これまでに県に報告のあった廃棄物の処理に関する事故は、平成22年6月の破砕選別棟における火災事故1件でございます。また、県に寄せられた苦情の件数は、平成19年3月の許可後、本年2月15日までに163件です。なお、当該事業者に対しましては、平成19年10月には排ガス中の塩化水素が維持管理基準値を超過したための改善勧告、平成22年4月には排ガス中に硫黄酸化物が維持管理基準値を超過したための改善命令を行いましたが、いずれも改善されて基準値内となっております。
2点目、昨年12月20日に事業者に産業廃棄物処理業の更新許可を出したが、これまでの許可内容、基準とどのように違うのか。
事業者に更新許可を出したが、これまでの許可内容、基準とどのように違うのかとの御質問ですが、当該事業者に係る更新許可に当たりましては、生活環境保全の観点から、焼却施設の排ガスに係る維持管理基準値の遵守、焼却施設の排ガスによる悪臭防止対策、ばいじんの処理の確実な実施について、より具体的な許可の条件を追加いたしました。
3点目、健康被害を受けている地元住民や野田市長の稼働中止を求める意見を無視し、昨年12月20日に許可更新を出したことについて、県は野田市民に説明する責任があると考えるが、どうか。今年度新たに実施する環境影響調査の詳細説明と、あわせて県主催の説明会を開くべきと考えるが、どうか。
昨年12月20日に更新許可を出したことについて、新たに実施する環境調査の詳細説明とあわせて県主催の説明会を開くべきと考えるが、どうかとの御質問でございます。更新許可に当たりましては、廃棄物処理法にのっとり適正に審査を行い、許可を行ったものでございます。なお、新たに実施している環境調査については、本年1月26日付で野田市に調査実施への協力を依頼しているところでありまして、環境調査の説明会の実施については今後地元の野田市と協議をし、検討してまいります。
4点目、医療系廃棄物等の特別管理産業廃棄物処理にかかわる許可期限が来月27日となっています。県は書類ベースで更新許可手続を行うのではなく、施設の稼働停止も含めて詳細な現地調査を行うべきと考えるが、どうか、お答えください。
特別管理産業廃棄物処分業の更新許可に当たっては、施設の稼働停止も含めて詳細な現地調査を行うべきと考えるが、どうかとの御質問でございます。特別管理産業廃棄物処分業の更新許可につきましては、廃棄物処理法に基づき、立入検査時による施設の確認、維持管理状況の確認等により適正に審査を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
県立高等学校の現状と課題
最後は、県立高等学校の現状と課題についてお伺いします。
初めに、学校施設の安全性について3点伺います。
1点目、新年度予算で県立学校の耐震化に51億円が計上され、27年度末までにすべての建物の耐震化を完了するとのことだが、所要額と財源見通しをどのように考えているのか。また、改修や修繕について、学校現場の要求にどのように対応していくのか。
次に、県立高校の現状と課題についての御質問にお答えいたします。
まず、耐震化完了までの所要額と財源はどうか。また、改修や修繕についてどのように対応していくのかとの御質問ですが、県立学校のうち、平成24年度以降に耐震改修を必要とする建物は193棟となり、改修経費は概算で約200億円と見込んでおります。今後、これらの事業を推進するに当たっては、毎年度の予算編成において関係部局と協議の上、計画的な実施に努めてまいります。また、学校施設の改修や修繕につきましては、学校の要望を聞き、必要に応じ現況も調査した上で危険性や緊急性の高いものから優先的に実施してきたところでございまして、今後とも学校と十分な協議を行いながら教育活動に支障がないよう、施設設備の整備に努めてまいります。
2点目、学校施設からの転落事故についてです。1992年、県立犢橋高校校舎4階から高校1年生男子が転落、全身を強く打ち、間もなく死亡するという痛ましい事故から20年が経過。その後、同様の事故で死亡、あるいは重軽傷を負った生徒数をどのように把握しているのか。
次に、学校での転落事故で死亡、あるいは重軽傷を負った生徒数をどのように把握しているのかとの御質問ですが、県立学校において、学校のひさしから転落した事故は最近の10年間で14件あり、そのうち死亡事故は平成17年度に2件、19年度に1件の計3件発生しており、他の11件は内臓の損傷や骨折、打撲などとなっております。
3点目、窓の外のひさしなど危険箇所への手すり・ストッパー設置の進捗状況、生徒への安全指導をどのように行ってきたのか。今後、二度と同様の事故がないように、どのように対応していくのか。
次に、手すり等の設置の進捗状況はどうか。また、生徒への安全指導を今後どのように行っていくのかとの御質問ですが、県教育委員会では、校舎のひさしからの転落を防止するため、施設面では、今年度中にひさしのある学校101校のうち68校の窓に、外に出にくくするための手すりやストッパーを設置することとしており、残りの33校につきましても24年度に設置する予定としております。また、安全指導につきましては、今後ともひさしなどの危険な場所には立ち入らないことにつきまして、ホームルーム等で繰り返し指導してまいります。
次は、学校改革推進プランについてです。
県教育委員会は24年度を初年度とする新たな県立学校改革推進プラン(最終案)を示し、5月に突然盛り込まれた道徳教育とキャリア・職業教育を大きな柱に掲げました。道徳教育については、さきの12月議会で山本友子が、義務化して押しつけるべきものではないのではないかと問題提起いたしました。今回はプラン策定を目前に現実味を帯びてきた大原、岬、勝浦若潮高校の統廃合の問題、東葛飾高校の中高一貫教育、学校の特色化について取り上げたいと思います。
具体的な質問に入る前に申し上げたいことは、10年間の現行計画が昨年4月に終了したばかりで後期5年分の評価が行われておりません。来年度から新たな改革プランを進めることは拙速であり、大いに疑問です。生徒や保護者、多くの学校現場も望んでいないと聞いています。今、教育委員会が早急に取り組むべきことは、学校施設の耐震化、経済的困難にある生徒の修学保障、きめ細かな学習指導体制、進路選択のサポートなどの重要課題に加え、震災時の安全確保、放射能対策も新たな課題となっています。早急に着手すべきは改革推進プランではありません。
それでは、3点伺います。
1点目、学校の適正規模、適正配置についてですが、原則都市部で1学年6から8学級、郡部で1学年4から8学級とし、適正規模に満たない学校は統廃合の対象として検討するとなっています。今回は大原、岬、勝浦若潮高校の統廃合が具体的に提案されています。今後、統廃合の対象として5から6組程度の統廃合が見込まれていますが、なぜこの地域で今回具体的に統廃合の話が進められているのか。それぞれ特色があり、地理的にも離れている3校を1校に統合しようとする今回の提案は、地域の人が集い、地域に愛され、地域とともに歩む学校という改革推進プランの基本的コンセプトにそもそも反しているのではないでしょうか。また、次の対象地域をどのように考えているのかお答えください。
次に、今回、3校が統合対象となった理由は何か。また、次の対象地域をどのように考えているのかとの御質問ですが、3校がございます夷隅地域における中学校卒業者数は、現在、ピーク時の平成元年から3分の1程度減少しておりまして、今後10年間でさらにピーク時の半分程度まで減少し、当該地域の高校の小規模化が著しく進行することが見込まれております。こうした状況を踏まえまして、地域協議会等で御意見をいただきながら検討を重ねてまいりましたが、子供たちの多様なニーズにこたえ、豊かな学びと活力ある教育環境を支えるため、今回の統合案といたしました。なお、今後の統合につきましても、生徒や保護者のニーズを踏まえるとともに、地域関係者からも丁寧に意見を聞きながら検討を進めることとしております。
2点目、キャリア教育、職業教育についてです。既に4校が専門高校から総合学科高校に転換しています。普通科目と専門科目を生徒が選択し、単位を取得する形式です。新しい改革プランでは、さらに3から5校程度ふやし、国際文化系列、生活福祉系列、情報科学系列などの系列を設置するとのことです。既に総合学科に転換している学校現場や保護者からさまざまな声が届いています。実習など専門教育の時間がとれず、特設の授業を7限、8限目にやっている、普通教科の授業が不足して大学進学も難しく卒業後の見通しも見えないなどなど。専門的な教育も不十分、進学のための学習も不十分、どちらも中途半端に終わりかねない総合学科の課題をどのように把握し、今後、条件整備を行っていくのか。
次に、総合学科につきまして、既設4校での課題をどのようにとらえ、どのような条件整備を行っていくのかとの御質問ですが、現行再編計画の前期分の評価では、生徒が興味、関心等に応じて主体的に科目選択し、学習することで意欲の向上につながっているなどの成果や、総合学科の特徴や魅力につきまして、今まで以上に広報する必要があるなどの課題をいただいております。今後は生徒の多様な進路希望に柔軟に対応できる総合学科の仕組みや魅力を積極的に広報しながら幅広い科目の設置に努め、必要な施設の整備などを行ってまいります。
3点目、中高一貫教育校についてです。改革推進プランの中では3つの中高一貫校のタイプが示されていますが、今回は28年度に東葛飾高校に県立中学を併設するとしています。4年前に千葉高を中高一貫校としたときと同じパターンだが、中高一貫校のねらいは何か。先行事例である県立千葉中学校の評価をどのように行っているのかお伺いします。
以上で第1回の質問を終わります。(拍手)
最後に、中高一貫教育校のねらいは何か。また、千葉中学校の評価をどのように行っているのかとの御質問でございますが、中高一貫校は6年間の安定した学校生活を送る中で計画的、継続的な教育指導を展開し、生徒一人一人の個性や創造性を伸ばすとともに、社会性や豊かな人間性をはぐくむことをねらいとしております。千葉中学校の評価につきましては、現行再編計画の前期分の評価の中で外部委員などによる調査等を行い、主体的に学習に取り組む姿勢が身につき、個性や能力の伸長が図られているなどの評価を得ております。なお、今後、千葉中学校の1期生が高校を卒業した後の平成26年度中に最終評価を実施する予定でございます。
以上でございます。
再質問
再質問に入ります前に、先ほど原稿の読み違いをしてしまいました。「犢橋(こてはし)高校」と読むべきところを誤って申し上げました。訂正させていただきます。
御答弁ありがとうございました。何点か質問と要望をさせていただきます。
まず、予算編成について、透明性を高めて公開していくことに関しては大変厳しいと。難しい、意思形成段階において県民が混乱するという御答弁がありました。しかし、他県では、鳥取、熊本、大阪を初め、予算編成過程の情報公開がホームページでも積極的に行われております。私たち県民の税金がどのような事業として盛り込まれるのか、その査定の状況であるとか、要求に対する評価であるとか、そういったことが非常に詳しくわかりやすくホームページでも公開されております。千葉県だけができないという理由が納得できませんけれど、そのあたりを具体的に進めていただきたい。どうでしょうか。1点目です。
予算編成の過程の公表に関する御質問でございますけども、予算編成につきましては、昨年度から新たに各部局から予算の要求があった秋の時点において、その状況と、また全体の収支の見通しにつきまして公表をすることといたしておりまして、さらに予算の公表の時点において主要事業の詳細な説明資料をお示しすることにいたしました。さらに今年度におきましては、その公表時点でより多くの事業について説明資料を作成することといたしておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
次に、八ッ場ダムについては、先ほどダム費と河川費はどうなっているのかということで御答弁いただきましたが、単年度の費用のみのお答えでした。私がいただいた資料で合計を足し合わせましたところ、千葉県はダムのほうが10年間で30億円も多く出している。しかし、先ほどの河川の利根川の安全度は、10年から20年の洪水に備え、耐えられるだけの安全度となっているということで、今急ぐべきは、やはりダムではなく、河川改修を必要なところに費用をつけていくことではないかと思います。具体的にいただいた資料で、利根川の上流と下流、江戸川の堤防の危険箇所、漏水とか、高さが足りないとか、そういったリストをいただいたんですが、千葉県内の堤防の漏水箇所が何と125地点あるということ。それで、利根川上流から下流まで全体の7割を占める堤防の漏水箇所があるとのことです。具体的には野田市が要注意の2地点として挙げられております。こちらの整備、急ぐべきと考えますが、どのように国へ働きかけていくのかお答えいただきたいと思います。
八ッ場ダムに関係しまして、下流のほうから整備をという話がございましたけども、その前に、事業費関係で申し上げたときに河川改修事業費とダム事業との比較というのがございましたけれども、合計としては、私のほうは今情報を持っておりませんが、昨今、ここ数年におきましては湯西川ダムが今年度完成ということで、最近において、ダム関係の事業費の負担金といったものがややふえているといったようなところがございます。
逆に一方、修繕関係につきましては、ここ数年で直轄負担金がなくなったということもありますので、負担金だけで比較しますと、そういう傾向でダムのほうが多く感じられるのかなというふうに思っております。また、下流域の百二十数カ所という話もございましたが、昨年の3月11日の地震といったようなこともありまして、防災点検箇所がふえているといったような状況がございます。いずれにしましても、利根川につきましては、国内最大の流域面積を持ち、また流入する支川も非常に多いということもございます。したがいまして、防御すべき地域も多く、それぞれの地域で特性に合った治水対策を講じることにより、水系全体としてバランスよく治水安全度の向上を図っていく、これが重要であり、治水の基本というふうに考えております。これまでも河川整備の長い歴史、沿川の社会的状況や河川の安定の状況等を踏まえ、上下流や本支川のバランスに配慮しながら河川改修を実施することに国のほうでも努めていると。我々もそういうふうに思っているところでございます。
次は、医療問題についてお伺いします。先ほどの私の質問に対して具体的な御答弁が余りありませんでした。医師、看護師の確保についても順次進めているということで、現状はどうなのか、もう出ているはずです。その点について教えていただきたい。
それから、施設の建設のほうも着々と進められていると聞いておりますが、どのようになっているのか。県の補助金は、ほとんど建設負担金となるということで、83億円の建設費に私たち県民の税金が投入されることになっております。この点について、医師、看護師の具体的な状況と施設の整備状況、予算の執行状況についてお伺いします。
御質問の中でありました東金九十九里地域医療センターの開院に向けて、具体的に医師、看護師の確保状況、建設の進行状況についてという御質問でございます。まず、医師、看護師の確保状況からお答えいたします。東金九十九里地域医療センター側の計画によりますと、26年4月にまず146床で部分開業、28年4月に314床ですべての病床を運用するという計画の中で、当面は26年4月1日146床の部分開業に向けて人員確保の準備が進んでおります。26年春の時点で看護師が134名、医師が31名確保の予定でございます。今日時点で医師1名、看護師1名のところ、来年度、24年度には、看護師をさらに15名追加して採用する予定と聞いております。この15名については、既に採用のめどが立っているという報告を受けております。医師については、2名目の医師の採用が内定しており、これも計画どおりに26年春の部分開業に向けて準備を進めているというふうに聞いているところです。現時点では、こうした採用状況というのは予定表のとおりになっております。
それから、建設の準備のほうはどうかということですが、26年4月の開業に向けて、建物等すべてが完成する予定が26年1月の予定でございます。現在、その予定に向けて、実際に建設、施工する業者の選定の準備に入っているというふうに報告を受けております。これもすべて現時点での東金九十九里地域医療センター側の予定表のとおりに進んでいるというふうに理解しております。
以上でございます。
3点目は合併浄化槽。単独処理槽がまだ残っているということで、このままでは合併浄化槽への転換はなかなか進まないと思います。あと、検査率も全国的に非常に低いレベルにあるということを、パンフレットを配布したり周知を進めるだけでは、この比率というのは上げられることはできないと思います。何らかの誘導策が必要と思いますが、その点、具体的に検討していくおつもりがあるのかないのかお知らせください。
単独処理浄化槽がまだたくさんあるといったようなこととか、検査率の向上に努力するようにというような御質問でございましたが、合併処理浄化槽の設置補助事業をより効果的に活用する、それから浄化槽シンポジウムの開催、また各種広報媒体を通じた啓発活動を推進することといったようなことで、単独処理浄化槽の転換促進に努力してまいりたいということでございます。また、先ほど副知事からも御答弁申し上げたように、保守点検業者などで構成する関係団体と連携しまして、法定検査の周知を図って受検率の向上に努めてまいりたいと、そのように思っております。
次はエコテックについてですが、先ほど最高裁からは事務手続に瑕疵があるから、この申請書類は効力があるという、そういった解釈をしているとのことでしたが、ここに根本的に誤りがあると思います。本来であれば最高裁の判決の趣旨に従って、行政事件訴訟法の33条2項、3項の改めて処分しなければならないというのは、その処分の対象はミニアセスのない申請書です。当初の申請書に対して処分をしなければならないのに、申請書は生きているとしてミニアセスの報告書を後出しで出させて、それで審査するというのは、そもそも大変な解釈の誤りであると考えますが、最高裁にきちんと考えを聞いたのかどうか、その点、もう1回確認させてください。
また、エコテックの関係でございますが、当該判決をきちっと受けとめておりまして、手続に違法があることを理由に県の設置許可処分の取り消しとなったということでございますので、このことから判決の趣旨に従って、改めてこれらの手続を経た申請に対し処分を行うということでの手続というか、事務的に入っているところでございます。
次は柏廃材問題についてですが、野田市とまた新たな調査を1年間かけてしていくということですが、やはり住民の方の健康被害がこれだけ続いているわけですから、この調査の内容、そして、これまでの更新の経緯についてもきちんと関係住民に説明する必要があると思います。先ほど野田市と協議をするということですが、県が許可権者でありますから、県が主催して野田市における説明会を実施するべきと考えますが、いかがでしょうか。その点、お伺いいたします。
以上です。
また、野田の柏廃材でございますけれども、地元住民の方々、地元市というのが非常に大事なことでございまして、県の権限と申し上げても、野田市の御協力をいただいて地元への説明をきちっとやっていくということでございますので、今、協力をお願いしているところでございまして、当面の御協力ということは了解いただいているところでございます。
以上でございます。
ありがとうございます。再度質問させていただき、要望も申し上げます。
予算編成に関してはシステムの改修も伴うものかもしれませんが、いずれにしても、千葉県の予算編成の情報公開が非常におくれていると言わざるを得ません。他県の進んでいるところも研究していただいて、私たち県民一人一人が借金を背負っている中で何とか税金を納めている。このような厳しい状況の中できちんと県民に説明責任を果たす、透明性を高めることが行政の信頼性を確保することであると考えますので、この点、しっかりと研究を進めて早期に実施していただきたいと思います。
次に、八ッ場ダムに関しては、先ほどバランスをとって改修と、ダムも進めていくことが大切であるというお話でしたけれど、余りにもダム費に偏り過ぎてきたために、下流の河川改修の費用が捻出できなくなっているというのが事実だと思います。野田市の漏水堤防、これを早急に改修していく、そういった具体的なことを国に言っていくことがまず大切だと思いますけど、その点の認識について、また改めて伺います。
八ッ場ダムにつきまして答弁させていただきます。
まず、先ほど来、ダム費が多く、それが改修費を圧迫しているのではないかというお話でございますが、23年度につきましては30億円ほどダム費のほうが多いと。しかしながら、過去10年にさかのぼっていきますと、改修費のほうがトータルで70億円ほど多くなっているということでございます。先ほども申しましたように、この23年度のダム費というのは、専ら23年度完成する湯西川ダムを重点的に負担金を支払ったといったようなところが結果として出ているところでございます。
また、利根川の重要水防箇所が百数十カ所あるという話でございますが、重要水防箇所につきましては、洪水時、特に水防活動を実施するために重点的に監視をするところの施設でございます。例えば堤防等が完成していても、洪水におきまして、湾曲によって、我々は水衝部と言いますけど、水が強く当たる。または洗掘、要は川底を掘る、そういうことによって堤防が不安定な状態になる可能性がある。県内に百数十カ所ございますが、そういうところを指定しまして整備しているところでございます。いずれにしましても、県内の利根川の河川につきましては、早期の効果発現の観点から一定期間内に特定区間の事業完成を目指す、いわゆる一連区間というものを設定し、予算の重点配分によって効率的な改修に努めているところでございます。
以上でございます。
それと医療問題については、先ほど医師、看護師は予定どおりに確保できるという見通し、お話がありましたが、認定看護師の状況はどうなっているんでしょうか。こちらの病院は救命救急ということで、大変高度でハードワークな看護師を集めなければなりません。全県的にも全国的にも看護師の確保というのが非常に厳しくなっている中で、医師や看護師、その他医療スタッフをそろえなければ計画どおりに事業が成り立たない。そうなってくると赤字経営もしくは病棟の縮小、そういったことも現実的に考えられると思います。
また、地域の医療機関との連携ということで、先ほど協議していくという御答弁ありましたけれど、あと2年しかないんです。具体的なところを見せていただかない限りは、地域の住民の方は、東金の後医療がどうなるのか不安な気持ちでいっぱいだと思います。東金の閉院についても25年度末というふうになっておりますけれど、地域の救急ではない慢性の疾患のニーズというのが高齢化に伴って非常に高まっておりますし、実際、東金だけでも支えられないところがあったと思います。そういったところをどうやって地域の医療機関と連携をとっていくのか、具体的にどういう場があるのかということをお知らせいただきたいと思います。
東金九十九里地域医療センターに関していただきました2点の質問にお答えします。
1点目、東金九十九里地域医療センターにおいて、しかるべき数の認定看護師を確保するべきではないかという御質問でございました。そのとおりであると思います。認定看護師というのは、臨床経験5年以上、さらに、それに加えて約半年程度の所定の課程を終え、試験に合格したという高度の専門性を持つ看護師でございますが、東金九十九里地域医療センターの持つべき機能を考えると、こうした認定看護師が一定数雇用されるということは重要なことであるというふうに考えております。現時点では、まだ認定看護師の採用はないというふうに聞いておりますが、今後、東金九十九里地域医療センターがしかるべき数の認定看護師を確保できるよう、あるいは既存の看護師が認定看護師になるためのトレーニングを受けることができるよう、県としても、しかるべき支援をしていきたいというふうに考えております。
2点目の県立東金病院が26年3月末に閉院し、26年4月に東金九十九里地域医療センターが開院するという地元の医療機関の移行期に当たって、地元で医療が混乱することがないように、しかるべき協議の場を設けるべきではないかという御質問です。これもおっしゃるとおりであると思います。健康福祉部といたしましても、地元の医療者、医師の派遣に支援をいただく千葉大学、それから当の東金九十九里地域医療センター、我々行政の側といった関係者が集まる協議の場を今後2年間、移行のプロセスの間で設けていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
それとエコテックに関しましては、やはり判決のとり方が非常に問題だと思います。処分の対象というのは、当初の申請書でありますから、追加で補正をかけて新たにアセスメントの報告書を出すからいいんだということにはならないわけですよね。なぜこんな恣意的な行政の判断が行われるのかということが大変問題だと思いますけれど、この点については最高裁にきちんと判断を聞いていただきたい。この件についてお答えをいただきたいと思います。県が独自に判断していいんだということでは全く納得がいきません。
次に、時間がありませんけれども、柏廃材についても、やはり地域住民の方の命や健康ということは第一に考えていただきたい。県の責任は非常に重いということを受けとめていただきたいのですけれども、無責任な対応だと思います。ぜひその点改善してください。
エコテックの件でございますが、繰り返しの御答弁になります。あくまでも当該判決は手続に違法があることを理由に、県の設置許可処分の取り消しとなったものでございます。
それから、柏廃材の処理センターの関係でございます。私どもは市民、県民の健康を第一と考えて対応してまいりたいと思っておりますので、今後とも野田市と協力体制の上、進めてまいりたいと思います。